9.スズとクロ
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有難うございます!
リアとの挨拶を済ませた俺達は部屋の確認をした後食事をを取って風呂に入っていた。
「いや〜極楽極楽。やっぱ風呂はいいな。疲れが良く取れる」
「だな。俺も草原を4日間彷徨ってたからな。だいぶ疲れがたまってたようだ」
「は?なんでそんなことになったんだ?」
「さぁ」
「さぁって、お前のことだろう…」
「記憶なくしててな。気づいたら草原にある裂け目の下にいたんだ」
「おいおいまじか⁉︎よくそんなんで生き残れたな。まずなんでそんな冷静なんだよ」
「だってしょうがねぇだろ。どうすることもできねぇんだ。だったらこれからを頑張ろうって考えたんだ」
「はぁ。って事はスズランと会ったのはそれ以降ってことか?」
「あぁ。スズと会ったのはお前らに会う前の日だよ」
「まじかよ…。よくそんな短時間で警戒心の高い禁忌は懐いたな」
「あぁ。多分出会った時にスズの髪色とか気にしなかったからじゃねぇか?」
「いや絶対他にも理由はあるだろうな。まぁそれは置いといてクロ、お前スズランの事どう思ってんだ?」
ジンがニヨニヨしながら聞いてくる。
「なんだよ気持ち悪いこと言って。男が恋話なんてしてもキモいだけだろ」
「うるせーよ!いいじゃねぇかちょっと聞かせてくれるだけでいいからよ!」
「はぁ〜。なんだっけ、スズのことか。まぁ正直すげぇ可愛いな。あんな可愛い奴に好意を持たれるのはすげぇ嬉しいぜ。スズ」
隣から「みゃっ」という声が聞こえてくる。
「ちっ…。なんだスズラン達聞いてたのか?」
「おいジン。今「ちっ」って聞こえたからな。隣に女湯があって何も話し声が聞こえねぇのとさっきミーシャとこそこそしてたのちゃんと見てたし聞いてたからな。Lv.が34だからかなり聴覚強化されてるから小さな声でも聞こえんだよ」
『やっぱばれてたかぁ』
隣からミーシャの声が聞こえる。
『でもクロ君わかっててそんなこと言うって事はOKってことかな?』
「まぁその話は後でするさ。そろそろあがらねぇとのぼせちまうからな。俺たちは先に上がってるよ」
『わかったわ。私たちはもうちょっと浸かってから上がるわ』
「おう。のぼせんなよ」
俺は上がった後ジンの勧めによって酒屋に行くことにした。カウンターにいたリアに酒屋に行く旨をスズたちに頼むといって宿から出る。
宿から少し行ったとこに酒屋はあった。
俺たちはカウンターに座り主人に酒を頼んだ。
「クロは酒飲めんのか?」
「さぁ。飲んでみないとわからんな」
「ま、それもそうか。んじゃほれ飲んでみな」
ジンが酒を注いでくれたので一気に飲み干す。
うん、悪くない。と言うより普通に美味いな。
「お、なかなかやるな。どうだ?」
「美味いな、これ」
「お、いけるじゃねぇか。ほれもっと飲め」
その後はゆっくりと酒を味わいながら飲んでいった。
「なぁジン。お前ミーシャの事どう思ってんだ?」
さっきジンに聞かれたようなことを聞く。
「なんだよ。男同士で恋話なんて気持ち悪いだけだろ」
さっき俺が言ったようなことを言ってくる。
「ま、ミーシャの事は普通に好きだぜ。ガキの頃から今までずっと一緒にいたんだ。今更他の男にやる気はねぇ」
案外素直に好きなことを言う。
「んじゃなんで告白しねぇんだ?」
「大の男がこんなこと言うのもあれなんだが、もし断られたらって思うと怖いんだ。だったらこのままこの関係を続けていけばずっと一緒にいれるんじゃねぇのかなってな」
「そんなことで悩んでんのか。どう見ても相思相愛だぜ」
「そうかぁ?俺にはよくわからねぇよ」
「大丈夫だ。告っても絶対OKされる。それにさっさと自分の物にしとかねぇと取られちまうかもしれないぞ」
「そうか、そうだよな。こういう事はやっぱ男から行くべきだよな!」
「あぁ。もしミーシャに言わせたとしたら俺お前を見損なうわ
「よしっ、俺明日言うわ!クロ!お前はどうすんだ?」
「そうだな、まだ出会って2日しか経ってないけど俺がスズを好きなのには変わりねぇし、丁度さっきあの話したからな。この後帰ったら言うことにするよ」
「だったらその時は任せろ。絶対邪魔はさせねぇから」
「あぁ任せた。その代わり明日は俺が邪魔させねぇからな!」
俺たちはその後2、3杯だけ飲んで宿に戻った。
宿に戻った俺たちは別れて今スズと2人で部屋にいる。
2人ともベッドに腰掛け武器の手入れをしていて、丁度いいので早速先ほどの件を言うことにした。
「なぁスズ」
「なに?」
首を少し傾けながら聞いてくる。
「ちょっと話があってな」
「話?」
「あぁ。俺たちさ、まだ出会ってまだ2日しか経ってないからこんなこと言っても軽いかもしれないけど、俺はスズの事を好きになった。スズは嫌いかもしれないけど、俺はスズの白い髪も赤い目も大好きだ。まだ出会ってから日が経ってないのにこんなことを言う奴だが、俺の言葉を信じてついてきて欲しい。俺と、俺と付き合ってくれないか?」
スズはその言葉に驚き顔を赤らめ瞳を潤ませながらいつものように、
「んっ...!」
と、花の咲いたような笑顔で抱きついてきて俺を押し倒す。
そのまま唇を重ね満月の昇る夜を過ごしていった。