悲鳴
花井さんが帰り、僕は一眠りしていた。
だけどその浅い眠りも、すぐに吹き飛んだ。
「きゃあああっ!」
闇を切り裂くような悲鳴が聞こえ、僕は急いで目を見開いて飛び起きた。
僕の部屋は個人部屋で、近くにあったスマートフォンの電源をいれ、今何時か確認すると、夜中の零時を回ったところだった。
そんなに夜遅くなのに悲鳴が聞こえ、何だか扉の向こうが騒がしい。
僕はベッドから下りて、扉を数センチ開けた。
「あ、新野さん。
ごめんなさい騒がしくて、起こしてしまったかしら?」
「いえ、大丈夫です」
通りがかった看護師に聞かれ、僕は首を振った。
「どうしたんですか?」
「…あ、いや…実はね…。
患者さんの1人が、殺されたらしいのよ…」
何も言えないで驚いていると、看護師さんはそのまま行ってしまった。
僕はそのまま病室を出てトイレへ向かい、顔を洗った。
何で最近、僕の周りでこう、殺人事件が起こるのだろうか?
親しい大やその家族、注意した男性と絡まれていた女性、見知らぬ患者。
接点がある人もない人も、皆殺された。
前までは、殺人事件とは縁のない、普通の毎日だったのに。
そして、何故だろう?
何故、犯人へ近づいていると感じるのだろうか?
僕は探偵でも刑事でもないから、推理なんて出来ないのに。
もう少しで、犯人が誰なのか、わかる気がするんだ…。




