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暗い道


「ありがとうございましたー!」


 元気なコンビニ店員の声に見送られ、僕はコンビニから家までの道を歩いていた。


 しかし、都会だとは言え、かなり暗い。

 所々にある電灯の光がなければ、きっと真っ暗で何も見えなかっただろう。

 僕は少し早歩きをした。



「やめてくださいっ!」



 突然、暗闇を切り裂くような女性の叫びが聞こえた。

 僕は歩くのを止め、女性の叫び声がした方向へ歩きだした。

 怖いもの見たさ、というものだろう。


 ビリビリッと音をさせながら、点いたり消えたりする電灯の下。

 見知らぬ女性と男性2人が、立っていた。

 どうやら先ほどの叫び声は、女性のモノだろう。


 見たところ、女性はあの男性2人に絡まれているらしかった。

 女性が何度抗議の声を上げても、男性はどこかへ行こうとしない。

 女性は電柱を背にし、男性の1人がその電柱に手をつき、軽く壁ドンみたいになっていた。

 電柱だから、電柱ドンだろうか?

 …まぁこの際、置いておこう。


「何しているんですか?

その方、嫌がっているじゃないですか」


 気が付けば、僕は男性2人に話しかけていた。

 男性は電柱に当てていた手を離し、怒りの形相で僕を見てきた。


「…何だよ、兄ちゃん」


「おれたちに何か用か?あ?」


 どうしよう。

 喧嘩に強い姉さんならまだしも、僕は格闘技など全く習っていないし、喧嘩も弱いし、したくない。

 話しかけたのは僕なのに、情けないことに怖気づいてしまった。


「おい、コイツ、ビビってんぞ」


「ウケる」


 震えてしまった僕を見て、笑い2人組。

 恥ずかしくなって、思わず男性2人を見上げる。

 すると1人の方が、僕を睨みつけてきた。


「…でしゃばってんじゃねぇよ」


 男性が、手を振り上げた。


 …殴られる!


 そう思った瞬間。




 ―――頭に、鋭い痛みが、走った…。





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