家族
学校を終え、いつも通り大と帰宅する。
自宅へ帰るためには、大の家の前を通る必要があるので、大とは大の自宅前で別れる。
大と別れ、僕は帰宅した。
「ただいまー」
玄関の扉を開きながらそう言うと、奥から専業主婦の母さんが出てきた。
「お帰りなさい、仁。
ドーナツを焼いてみたから、早く手を洗ってきなさい」
「うんっ」
やった、ドーナツは僕の大好物だ。
僕は内心はしゃいで、洗面所にて手洗いうがいを済ませ、リビングで揚げたてのドーナツに齧りついた。
母さんはお菓子作りが趣味で、こうして帰るとお菓子が待っていることが多い。
僕の2個上の姉・奈々も、母さんの作るお菓子が大好物だ。
「あ、仁帰っていたの?」
僕より先に帰宅していたらしい姉さんが、器用にスマートフォンを弄りながらリビングへとやってきて、ドーナツに齧りついた。
ごく普通のサラリーマンである父さんは、今の時間仕事。
結構毎日忙しそうにしているけど、休日は家族全員で出掛けるなど、仲は良い方だと思っている。
温厚な母さん、明るい父さん、たまに厳しいけど優しい姉さん。
僕にとって、家族は大事なものだ。