プロローグ
初めての作品です。
大目に見てください。
…ここは、どこだ?
何故か酷く痛む頭を押さえながら、僕は上体を起こす。外は酷い雨のようで、滝のような雨が降り注いでいて、時折雷が光って室内を照らした。
照らし出された室内の光景に、僕は息を飲んだ。
…辺りは一面、真っ赤に染まっていた。
血?いや、まさかそんな。
僕の頭の中で、そんなやり取りが繰り広げられる。
これはペンキかもしれない。
だけど、鼻を掠める鉄の匂いは、ペンキなどと語っていなかった。この独特の血の匂いは、幼い頃怪我した時、膝から出た真っ赤な血に匂いが似ている。
…何で、血なんて広がっているんだ。
僕は悲鳴を上げた。目の前の光景が、信じられなかった。
「…綺麗、だろ?」
突如響いた、地よりも低く氷よりも冷たい声。僕は後ろを向き、その声の主を探した。だけど雷が室内を照らさない限り真っ暗闇で、誰がどこにいるかなんてわからなかった。
「これは…キミがやったの?」
恐る恐る問いただす。情けないことに声が震えてしまった。
「ククク…」と不気味な笑い声が、僕の耳に響いた。
「キミ、か。
わかんねぇの?俺のこと」
…僕を、深い闇が襲った。




