ネイミングライツ(命名権)
「あぁ~、イライラする」
彼は最近自分が抑えられないでいます。
自分が望んでいないことを一部の人間が決定して、
周りがザワザワうるさくなったようです。
「チィッ!」
彼は足元にあるものを蹴飛ばしました。
『伊豆地方に震度5の地震がありました』
テレビは一斉に速報を出しました。
そう、彼とは富士山のことです。
勝手に世界遺産にされて、登山者が急増していました。
「あ~~っ」
彼は背伸びをしました。
「お~、アイツをからかってやろう」
ストレスとぶつけるものを見つけました。
「福岡ドーム君、福岡ドーム君ッ!」
彼はわざとハッとした顔をしました。
「あ~、ごめん。今はヤフー君?だったね」
「ふッ、富士さん。え~っと、すみません。今はヤフオクです」
オフオクはぎこちない笑顔を作りました。
「あ~、ごめんね~地方のこと、あまり耳に入ってこなくて~」
富士さんは、したり顔を隠さずに謝りました。
「日本一の富士さんには、地方のことは分からないですよね。日本一には」
ヤフオクは妙に『日本一』を強調しました。
富士さんはそれに気付かず、笑顔で応えました。
そういえば、ちょっと前、
「ヤフオクの親のソフトバンクが世界進出する」
というニュースが流れていました。
ちょっと、ヤフオクの心をのぞいてみましょう!
おれにストレスぶつけて、発散か~
いい加減にしてくれよ~
それに俺のことより自分のことを心配した方がいいんじゃないの?
俺みたいになるよ~
日本の借金1000兆円を超えてるから、富士さんの名前を売るんじゃないの~
『マイクロソフト富士』、『アップル富士』とかなるかもしれないな~
いや、やっぱり『ソフトバンク富士』だな!