魚たーぷるーぶ
テレビにたこ焼きが写っていた、たこ焼きパーティーがむっちゃしてぇ。そう思って一昨日友達数名に声をかけたのだがみんなの都合がつかないので今日やる事になった。
けど二日もたつと一昨日は天まで登るほどにあったたこ焼きへの情熱とゆうか執念も今じゃマッチ棒ほどになり、もうめんどくせーやめじゃやめってなってたこ焼きパーティーの中止を各々に電話したところ『お前が決めたんだろ、俺折角バイト休んだのにふざけんなよ』『えーっなんでぇ、やろうよたこ焼きパーティー』『うそー俺タコとかもう買ったのに』などと言われたので『うっせえお前らが一昨日たこ焼きパーティーしないからいかんのじゃボケ、人間二日もすりゃ考え変わるんじゃ』と反論した、そしたら『はぁ!?だからいきなり言われたから無理じゃん、ボケはお前じゃ』『死ね』『ハゲ死ね』と罵倒の嵐にあいむかついたので携帯電話を曲がったらいけない方向に折り曲げ破壊して今釣りに来ている。
しかし全く魚が釣れない、二時間はかるくたっているだろうが一匹も釣れない、二時間経つ間キャスティングするルアーを巧みに操るキャスティングするルアーを巧みに操る、を常に繰り返したにも関わらず釣れない、釣れないとゆうより魚がルアーに反応しつっつくような事もない。巧みにルアーを操っている筈なのに魚のアクションが無いとゆう事はそれは魚がいないんじゃないかと、そうか魚がいないのかははは、全く俺は無駄な事をしたものだ、と思いタバコに火をつけ座って湖面を見ていた。
トンボが沢山飛んでいる、もう秋だなぁ、トンボみたく俺の背中にも羽が生えんかなぁ生えたら気持悪いけど飛べるから生えんかなあなどと思っていた。
一匹のトンボがゆっくりゆっくり湖面すれすれを飛んでいた、あートンボいいなあいいよ、秋の夕暮れとトンボなんて風流でいいじゃないなんて思っていたのも束の間湖面から魚がジャンプしトンボを食べた。
『うお』思わず声に出してしまった。見た限り50センチはあるであろう魚が飛ぶのを初めてみた。とゆうか魚がジャンプするなんて知らなかったので魚スゲーと思ったがトンボを食べやがってふざけんな、とゆう気持ちとトンボを食べる癖に何故俺の針には食い付かないんじゃふざけんなとゆう二つの怒りがこみあげてきた。なんだか魚になめられている気がした『トンボの弔い合戦じゃ、お前絶対に釣ってやるからな待ってろ』思わず口に出していた、またキャスティングしてルアーを巧みに操るを繰り返したがやはり全く釣れなかった、あたりはもう真っ暗になっていたので明日こそ釣ってやるからなと心に誓い家に帰った。
次の日は朝早くから釣りに出掛けた、その日は夜までやったが小さい20センチくらいの魚が2匹釣れただけだった。
次の日も次の日もその次の日も釣りに行った。だんだんと釣れる数は増えていったがあの50センチのトンボを食べた魚は釣れなかった。
次の日は午前中携帯電話を機種変更しに行った、やはり携帯電話がないとこのご時世やっていけないのだ。
そして午後釣りに行こう、今度こそあの魚を釣ってやろうと思いながらも腹が減っては戦は出来ぬって事でラーメンを作って食べてから行こうと思いラーメンに湯を注ぐ、三分待つ、一分、一分半、二分、『プルルルルプルルルル』機種変更して初の着信があった。
相手はたこ焼きパーティーの事でもめた一人のヨウスケ、あの時の事は常々悪いと思っていたのでこのタイミングで謝ろうと思い電話に出た。『もしもし、この前悪かった、ゴメンな』『 ああそんなんもういいよ、つかそれより今から家に来いよ、凄いのよほんとマジヤベーヨ、マジヤバイからシュン早く来て』『えっ何がヤバイんだよ』『いやとにかく早くもうヤバイから、リナとタケシも来てっから早くね、ヤバイ、マジヤバイじゃーね』
ヤバイらしい、俺があんだけの事をやったのに更に上をいくヤバイ事、なんだろ、想像もつかない、ひとまず今日は釣りを諦めるか、リナとタケシにも謝らなきゃならんし、何よりヤバイらしいからな。ヨウスケの家に向かった。
ヨウスケの家に着くと三人は酷く興奮してる様子だった、『ようリナにタケシ、ゴメンなこの前は』『おそーい、ヤバイんだからほんと』『おせえよシュン、マジヤバイから、スゲーヤベーヨ』どうやら二人とも全くこの前の事は気にしてないようだ、よかった、が、気になるのはこの前の事が全く気にならないほどのヤバイ事『何がヤバイのよ?』『これこれ』『ちょっと見てよアレ』タケシが指を指す方向にはヨウスケがいて魚を捌いていた。
『うおぁああん』
見た瞬間変な叫び声がでた、其処にあったのは、どっからどうみてもあの湖でトンボを食べた魚にそっくりな魚だった。
『ねえヤバイでしょ?今日午前中タケシとヨウスケが釣りに行って釣ったの』
まさかありえん。
あんなでかい魚を見てヤバイしか感想が出てこない奴に釣られるなんてありえん。
『湖ってあの家の近くのあっこの?』
『そうだよ、ヨウスケがさ釣ったんだわ、俺は30センチくらいのしか釣れなかったけどね』タケシが言った。
ヨウスケを見るとなんだか照れくさそうな自慢気な顔をしている。
俺はなんだかもうどうしようもなくなった、悲しいような切ないようなもどかしいようななんて表現したらいいのかわからないくらいの感情、とにかくマイナスな、井戸に落ちて更に上から土をかけられて生き埋めになったような気がした。
魚を見ると魚はこっちを向いて笑っている様に見えた、お前には釣られたくなかったんだとでも言っている様に見えた。だからってよりによってこいつらに釣られるのかよと思った。
ヨウスケは魚を捌いてから塩を振り網に載せた、網に乗せられてからも魚は俺の方を見ているような気がした、俺に釣られなかった魚は今目の前で塩焼になっていっている、魚は相変わらず笑っている様に見えた。
周りではリナとタケシとヨウスケが相変わらずヤバイよヤベーヨとか言っている。
魚は塩焼になった、俺はもうなんだかどうでもよくなってヤベーヨヤベーヨつって魚を食べた、ヤベーうまかった、塩がヤベーしょっぱかった。