第三章 苛烈 その4
第三章 苛烈
その4
また、先生や町の大人達とも色々あったみたいだけど詳しくは知らないや。
やっぱりハナらしい事を言ってたとは聞いてたよ。
そんな中、ある事件が起きたんだ。
前兆はいくらでもあったし、
何もしなかった僕らが悪かったんだと思うけど。
止められなかったんだ。
あの日から、その時まで。
校内でも有名な恋人同士の学生が居たんだ、
ハナはそこでも絡んで来た。
僕は離れた所からだったけど、
揉めてたのだけは分かった。
どうやら恋人の関係の脆さを指摘してたみたいで、
中々険悪なムードなのが分かる。
そんな時だった、
確かにハナは「では、その方と私がキスでもしたらどうなるでしょうね?」と言った。
聞こえた瞬間がライン越えだったのだろう。
恋人同士の彼女の方が大きく手を上げた。
そこに居たんだキョウが。
ハナは自分が打たれる事より、
咄嗟に動き出したキョウを睨み付けて。
直ぐに転ばせた。
一連の動きは速かったけど、呼吸をするより鮮明に。
ゆっくりと、この目に映り込んだよ。
「何をするつもりだったんですか!」
「あなた、私じゃなくて彼女を狙いましたね!」
「何を考えるんですか!」
ハッキリと、
確かにハナは言った。
ハナの怒りの先がキョウに向かう。
キョウはそれを受け止める。
それだけの空気が支配されてたよ。
周りもハナの怒りを恐れてか距離を置いて、
そこにはハナとキョウだけが残ったよ。
そんな時にチャイムが鳴った。
ハナはそれ以上キョウを責めず、彼女の日常に戻って行った。僕は何も出来なかった。
恐らく、サラとキョウの最後の別れ道だったのに。




