第二章 変化
第二章 変化
「んぐんぐ、ぷはぁ…あー驚いた。脅されたとは言え、またあいつらと会うなんてね。こう酔っちゃうと昔の事を思い出すわ本当に、まあ飲み直しましょうか」
私の名前はサラ、昔から長髪が好きで髪を切る時とか、よく切りたくないと駄々を言ってた女の子だったわね。
キョウとアイと、あとシンも大好きだったわ。4人で過ごした時間は今でも私の宝物。そう、宝物だったのよ。
小学三年生の時アイが事故で亡くなった。
この衝撃と異常を思い起こすのにはまず周りの変化から思い出すべきね。
まず先生達は皆暗かった、まるで希望を失ったみたいな顔だった。
次に子供達もショックで泣きまくってた、でも違うの。
アイが居ないと心に穴が空いたみたいな喪失感と、アイが何かと言う「ありがとう」が無くなるのは今でも言葉に出来ないわ。
辞書すら意味がなくなるぐらいに当てはまらなかったもの。
そして異常に気付いたのには時間が掛からなかったわ。まず別の学年の子も暗かった事、次に通学路の大人達も暗かった。あの時の空気は失望と困惑で渦巻いてのをよく覚えてる。
私とシンは困惑してたけど。
キョウは違った、いや違ってしまった。
何時もいっぱい同じ事で笑い合った仲なのに、
キョウは何でそんなに「失望」してしまったの。
ふぅ、そう。
それからだったわ。
気付いちゃった、キョウに取ってアイが特別だって事。アイの事は私も好き、お姫様みたいで優しくて。シンもアイの言う事に違うよと言った事なかったし、寧ろアイの一言がシンを驚かす事が記憶に残ってるわ。
そしてキョウはアイに色んな事を教えてたわ。
まるで自分の全てを知ってもらうかの様に。
その度に「ありがとう」って言葉が木霊して。
私だって覚えてるし楽しかったけどキョウからしたら。
だからかな、悔しくなかった。
だって。
元気で明るい、あの顔が暗くなるのが嫌だった。
キョウが好きな話とかキョウが好き食べ物とか色々考えてたら何でこんなに悩んでるんだろうって。
私まで落ち込んでさ、ポツンと「好き」て。
思っちゃったのよね。
思えば私の地獄はここからだったわ、全くもう。




