はなまるにっき
それからの日々はあっという間な一年でした。
私は才能は"ありません"でしたが文学に力を入れ、
進路としては難しい道を選びました。
何故、その様な進路を選んだか。
それは、数々の変化に影響されたからです。
何かに挑戦する事、
そして価値として記録出来る技術に、
私は何か期待を持って挑んでみたいと思いました。
あと、私からは特に言う事はないのですが、
キョウは日々、逞しくなって行きました。
まあ、同じぐらいよく凹んでましたね。
何度もパンクしそうな時は一緒に整理したものです。
サラは音楽の道を意識しながら、
よくメモを取るようになりましたね。
特に悲観的な感性の話を良くするようになりました。
何か自分の中の答えを探る様で、印象的でした。
シンは、そのままよく流されてた印象がありますね。
何かを決める様な事が本当に苦手で、苦手のまま一年が過ぎてしまった感じがします。
でも、悩みを悩みとして相談する時は、
とても真っ直ぐな視線でした。
クラスの皆さんも、この時期特有の変化の荒波に、
様々な意識があった様に思います。
未だ私は、その様な空間を言葉にまとめるのは苦手なので、一生の課題なのだと思いました。
私と言う人は、
曖昧な気持ちは本当によく分からないのです。
分かる事をそのまま口にする事でしか表現出来ないのは、文学では問題だとよく痛感しました。
そして、あっという間の一年の最後、
卒業式が訪れました。
それは知ってるはずの卒業式でもあり、
何処か違う高校生特有の卒業式でもありました。
後戻り出来ない、最後の一歩。
その様な気持ちが、ここにはありましたね。
「ハナ、改めて言わせてくれ」
「はあい、何ですかキョウ」
「好きだ、結婚をして欲しい」
「勿論ですよ、あなたはそれだけ頑張りましまし
私もそれなりに設計を立てましたからね」
「でもその前にやる事があります付いて来て下さい」
「いや待ってくれ、もう少し何か反応が」
「置いて行こうとしないでくれよハナ」
人目が付かない場所、
二人の向かい合う男女、
サラとシンがそこには居ました。
先程遠目で確かに見えたので、
この場合は予測出来ました。
そして泣いているサラに、
俯いているシン。
重苦しい空気がそこにはありました。
「嫌い嫌い!もう恋なんて嫌い!」
「わがままなのは分かってるの!」
「嫌いにならないでシン」
「うん、嫌いならない」
「僕の方もごめんサラ、辛い思いをさせて」
「はいはい、すみませんけど記念写真撮りましょう?」
「お二人さん?」
……………
「うぅぐうぅぅう」
「そん、そんな気にはなれないわよ」
「あんたのそれ最高に嫌」
「以前に私を呼び出して色々話しましたよね?」
「その借りを返して貰います、嫌ですか?サラ」
「うわぁ…」
「何があったんだソレ」
「あ、あんたズルい」
「今そんな話しないでよ」
「僕からもお願いだからキョウも止めてよ」
「いや、俺は写真撮りたいな」
「本当にバラバラになるなら」
「せめて今の時を残したいと思う」
「キョウはハナに流され過ぎだよ」
「ああ掴まないで逃げないから」
「サラ諦めよ、この二人たくまし過ぎるよ決意が」
「ハナ、あんた最悪なんだけど」
「大人の世界はもっとズルくて最悪な思いもするので良い勉強になりましたね?」
「さあ行きましょう、こんな薄暗い場所は嫌ですから」
明るく適度な撮影スポットで、
私は携帯のシャッターを構えました。
「キョウは真中で、
サラとシンは挟む様に並んで下さいね」
「サラはもっと近付いて下さい」
「文句は後で聞きますから、そうそう」
その光景はとても、
暗く撮影向きの空気ではありませんでした。
「ところでサラさん」
俯いているサラ恨めしそうに睨んでます
「キョウに告白しないのですか?」
!!!
カシャ
こうして私達の卒業式は終わりました。
この思い出は私の中で日記として、
憶測と推測を混じえて書き終えます。
「はなまるにっき」作者ハナ
何処席も騒い店内で一際大きな声が一つ響いた。
「ちょっと!何なのよ?!コレは!?」
「何って?"はなまるにっき"ですよ?」
「よく書けてました?」
「うわぁ…、僕の当時の心境とか丸々書いてるよ」
「少し違う気もするけど合ってるねコレ」
ここは小さな同窓会にうってつけの居酒屋、
食卓と一冊のノートを挟んで4人の男女が騒いでる。
「大体私を酒飲みみたいに扱わないでよ!?」
「もっとあるでしょう?!イメージが」
(一回目の同窓会で既に…)
(昔からお酒の話好きだった様な…)
(あら?気付いてないのね)
「なぁにぃよ、その空気」
「それにもっと悲観的な繊細な心境なの」
「ワ タ シ は」
「もう昔からあんたは人様の事をもう!」
「記念写真時も同じで」
「まあまあ」
「それにしてもサラは、
本当に良い音楽家になれたよね?」
「年々評価は高まってるみたいだし凄いよサラ」
「当たり前じゃない」
「私は確信した音を常に、
研究してたと言っても過言ではないんだから」
「評価は後から追い付いた感じね」
「懐かしいですね、
学生の頃は本当に手探り状態でしたね」
「どんな音がどんな影響か色々話ましたし」
「あんたはそう言う所を何で省いて書いたのよ」
「全くもう」
「省かれたと言えば、
俺の高校最後の努力も書かれなかったな」
「アレはとても辛かったから色々残念だ」
「キョウは本当に時は凄かったよね」
「正直、僕から見ても凄まじい気迫があったと思う」
「あの時のキョウって、
見違える程に人が変わった気はしたけど」
「恋と社会に一気に向き合って、
また違った意味でまた暗くなるわ」
「よく心が折れなかったわね?」
「あの時からハグとかしながら」
「色々支えましたからね?恋の勝利です」
「!」「!?」「?!」
「ハァ?!」
「聞いてないんだけど!?」
「ちょっとキョウ本当なの!それ!?」
「あー…、まあ事実だな…うん」
「お洗濯の練習でも、私の下着に戸惑ってたの」
「可愛かったですね」
「それも初耳なんですけど!?」
「あー、思い出したよ」
「やたら女子とか目を逸らす日が昔あったのは、
ソレが理由だったんだ」
「何か過剰だったから覚えてるよ」
「止めてくれ皆、心が痛い」
「自分で掘り下げましたでしょう?」
「こうなるだろうと思い、色々省いたのに」
(ハナから暴露してたじゃない)
(赤裸々にしたのはハナだよね)
「今でも「いってらっい」の時はハグしてますものね」
「あ、ああ」
「完全に飴と鞭ね」
「飴と鞭だね」
「俺の事はこの辺で…」
「そう言えば、シンはその後どうなんだ?」
「まさか農家になるとは思わなかった」
「うん、会社では馴染めなかったけど」
「親戚の伝手で色々サポートして貰いながら、
今は良い感じにやってるよ」
「大変だけど細かい面で頼られてたりね」
「一回目ニ回目と同窓会の時のシンは、
あからまさに顔色悪かったですものね」
「本当よ!ハナが踏み込んで話さなかったら、
あんた大変な目にあってたって思ったんだから」
「ちゃんと相談相手ぐらい探しなさいよね?もう」
「あははは、うん」
「そうなんだよね、
僕自身相談出来る環境が無かったから、
変に慣れちゃってたんだ」
「皆ちゃんと相談相手が居て、あの時は逆に驚いたや」
「今じゃその親戚の子の話なんかするんだ」
「シンは変わった気がする」
「そうだね、凄く変わった気がするよ」
「変わったと言えば、
キョウ達は子供が二人も居ると思うと、
本当に凄く変わったよね?」
「ああ、とても変わったと思う」
「責任のあり方が全く違って、驚きの連続だ」
「子供と言えば、何処かアイに似てて驚いたわね」
「やっぱり、ハナとアイはどっか似てると思ったわ」
「それは思ったよ」
「俺もそれは思った」
「さって、私はお先に帰りますね」
「あ、ごめんなさい」
「ハナからしたらあまり面白い話じゃなかったわね」
「いいですよ、
元々夫のメンタルケアの為の同窓会ですから」
「なんなら浮気までしますか?」
!!!
ゲホゲホゲホゲホ
「あんたには常識ってものが無いの!?」
「そうだよ、子供の話をした後に言う台詞じゃないよ」
「俺はハナ一筋なんだ、悲しい事を言わないでくれ」
「あら?そんなオーバーな」
「大体ハナはズレ方を意識しなさ過ぎなのよ」
「学生時代も物覚えは良くても、
テストとか妙に成績が安定しなかったり」
「アレは驚いたね、ハナらしいとは思ったけど」
「いや、俺が付き合わせたから…だと思ってたが」
「もそもそズレた感性からなのか?」
「もう、皆さん失礼しちゃいますね」
「とにかく先に帰ります」
「待ってくれ、せめてタクシーを呼ばせてくれ」
「妻を1人、夜道に歩かせたくない」
「ありがとう」
ーーーーーーー
「運転手さん、
少し寄り道をお願いしたいのですが良いですか?」
「あいよ、何処へ向かいましょう」
「ええ、ちょっと墓地へ」
ーーーーー
「私はあなたの事をよく知らないけど、
あなたが居た付近には大きな影響があったみたいですね」
「私達似ているらしいけど、性格は絶対に違いますよね」
「まあ、こちらとしては今の夫と繋がりが出来たと言う意味では感謝しますわアイさん」
「人々の隙間に今後も眠り続けるのでしょうね」
「これ、花の変わりですがお供え代わりにどうぞ」
「私はそろそろ帰りますね」
「さようならアイ」
はなまるにっき(完)
ストーリー的には完結しました
いかがでしたしょうか?
初めて書いた恋愛小説でしたが
無事完結まで辿り着けました
物語としては最後ですが
おまけの要素を足すつもりですので
お楽しみ下さい
ここまで読んで頂き
本当にありがとうございました




