第四章 交差点 その5
第四章 交差点
その5
交流、友情、つきあい。
それらは侮れません。
信頼を前提には置いた動きとは、
本当に素晴らしい成果を成し遂げるものですから。
しかし、その信頼が崩れたら?
最後に残るは対応力なんだと、
私は思うのです。
夏休み明け、
各々の生徒が変化を出す時期。
ある者は浮かれ、ある者は落ち込み、
様々な反応がある中で、
私としては勉強会以外では、
特に大きな変化はなかったと思いました。
「おはよう」
「はい、おはようございます」
「今日から学校ですね」
「ノート写しの方は大丈夫そうですか?」
「あんだけ指摘されたら流石にな」
「あんなに色々考えてやる事とは思わなかった」
「私を含め3人分のノートを見て驚いてましたからね」
「私は構造的に、サラは感性的に、
シンはちょっと細かく」
「人によるんですよね、ノートって」
「正直ハナのノートが一番分かりやすかった」
「キョウはそこが偉いですね」
「分かれば進んで勉強出来てましたから」
「助かったよ」
その時のキョウの顔は良く覚えてますね、
何せあんな事が起きたのだから。
借りてた資料を返却しに、
渡り廊下を歩んでた時です。
「だから!」
「キョウにとってハナって何なのよ!」
「…友達」
「じゃあ私とはもう友達じゃない訳!」
「キョウが落ち込んでから心配してたのに何!」
「古い友達はもう要らないって訳!」
「そんな事は言ってない」
「ただ…たださ…」
「ただただ!」
「アイの事ばっかり引き摺って!」
「私はキョウの!」
「キョウの事がーーーー最悪」
「すまん」「もう帰るよ」
「またな」
立ち止まってしまいました。
そりゃ人通りは少ない道でしたし、
物影も多い場所でしたが、
聞こえちゃうのは困りものですね。
サラの言いたかった事は。
好きと、嫌い、
あと心配もでしょうね。
声だけでしたが、
まるでこの残暑のように、
静けさを思わせる予感が残りました。
「それにしてもまたアイですか」
「全く」
誰に言うわけもなく、
当たり前のように
私の帰宅に合わせるキョウを見て、
青空に思い馳せました。




