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エテル
いつも何かを探していた。一体それが何なのかわからず様々なところをさまよっていた。
自分の魔法の力が果てしなく強いとわかるやいなや、周りのものは利用しようとしてきた。頭が良いとわかれば難しい無理難題を押し付けてきた。それでも探し物はしなきゃいけない。
魔法学校の地下に存在する魔術の欠片。それの近くに行って初めて自分は全てを理解することができる。そういうふうに仕組まれていた。そして役割を思い出した自分がやらなければいけないのは、自分が経験してきた今までの話を「アレ」に報告することだ。
自分だけが入ることができる特別な場所。入り口が開かれ先に進んでいくと、目の前に現れたのは自分そっくりな顔の小さな女の子。わかっている、人間ではない。
「やっと来たわねエテル。待ちくたびれちゃった。さぁ聞かせて、あなたの話」
永遠とも思える時間を生きている彼女の退屈を慰めるだけの役割、それが。ETERNITY(悠久)の名を持つエテルの役割だ。




