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悠久とエテル  作者: aqri
本編
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ラム 終章

 わあああ、と騒ぎが大きくなる。教師らと理事長の抗争が表面化した。地下に魔術らしき存在を確認した、理事長はずっとそれを隠していたのだ。

 エテルが緊急を知らせてラムと地下に走る。教師が、理事長が、シャロンが、皆が魔術を求めて。


「さすがだな、僕の結界も破られた」

「呑気に言ってる場合?」


 一気に地下に駆け降りた。中途半端な調査しかできなかったので本当に魔術があるかは未確認だ。


「まあ、納得できたよ。僕や君が感じていた違和感は魔術だったのか。魔法を打ち消していたのも魔術だ。どおりで探れないわけだ、だって誰も魔術を知らないんだから」


 入学イベントでエテルがシンボルツリーを真っ二つにした、あの頃から町でおかしなことが起きはじめた。


「シンボルツリーは、魔術封印に一躍買っていたんだな。教えてくれよシャロン」


 真っ先に二人に追いついたのはシャロンだった。今にも泣きそうな顔だ。


「私だって知らないわよそんなの。デリーに言い寄るふりをしてたのに。うまくいかないものね」

「そういうもんだよ世の中。僕もそうだ」

「ラム、盗み聞きの魔法陣気づいていたもんね」

「あんなゴミみたいな魔法気づくよ、僕の方が実力が上だから。聞かせて良い会話だけしゃべるの苦労した」


 はは、と渇いた笑いを浮かべる。欲望が渦巻く中ではうまく立ち回れない、それをその場にいる全員が痛感した。


「もっと早く理事長と仲良しになっておくべきだったな」

「今更?」


 シャロンが半泣きで笑う。エテルも悲痛な表情だ。


「僕にもわかるよ、この奥の存在の危険さが。なんでだろうね。父さんのこともあったけど、僕はここにこなきゃいけない気がしてた」


 そう言うと、ラムは一瞬で特殊な魔法を使った。密かに研究していた、誰にも破れない強固な結界魔法。それを自分と、エテルやシャロンがいる間に使った。


「ラム!?」


 焦るエテルの声。壊そうとしたがエテルの力を持ってしても破れない。


「ラム、どういうつもり!?」


 シャロンの叫びにラムは無言だ。微笑んだまま、魔術の眠る部屋に一人入っていく。


「ああ、なるほどね。そうか、そうだったんだ。これが……」


 その声と同時にドォン、と上から爆発音がした。ラムとエテルの魔法が破られたのだ。今や教師はほぼ全員魔法協会の人間だ。


「小僧はどこだ!?」


 飛び込んできたのは理事長だ。後ろから協会本部が押し掛けているらしくいまだに魔法の手を緩めてはいないが。


「もう遅いわお父様。全員死ぬ時ね。私は満足よ? 大好きな人と死ねるのだから」


 ラムを思い続けていたシャロン。教師や他の生徒たちから色恋沙汰でどんな嫌味を言われようと、毅然とした態度を振る舞っていたが。ずっとラムを思い続けていた。

 魔術の部屋の前に弱い結果が現れる。それには見覚えがあった。


「これは……」


 入学式、エテルが触れて大爆発を起こしたあの魔法だ。


「!? まさか!」


 気づいたシャロンが血相を変える。ラムが何をしようとしているのかわかってしまったからだ。


「ラム、そう。わかった」


 もちろんエテルも意図に気付いた。泣き叫ぶシャロンと、目を見開く理事長。


「やめて!!」


 シャロンの叫び虚しく、エテルは魔法を発動させた。入学式で使ったものとは比べ物にならないほど強大な魔法を。


「渡すわけにはいかないんだ」


 ラムのそんな声と同時に魔法は発動された。

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