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悠久とエテル  作者: aqri
本編
24/107

ロジクス4 エテルは友人を助けない

(何を考えてんだこの女!?)


 ありえない状況に、いつも飄々としているロジクスもさすがに困惑が隠せない。

 エテルが同級生たちを誘って魔法の材料集めをする際、それとなく時計塔に誘導しているように思えた。やはり地下に何かあると彼女は気づいているのだ。イベントを理由にして探りを入れているのだろう。

 もちろんこれは特大のネタだ、なんとしても何が起きているのか把握しておきたい。エテルの影を操れないのなら、その同級生たちの影を乗っ取るしかない。もちろん彼女はそれに気づくだろう。振り払われたら別の手段を考えようといくつか案を練っていたのだが。意外にも同級生の一人の影を操っても何も言ってこなかった。


(取るに足らないってことか? ずいぶんとまぁ自信満々のお姫様だ)


 若干気に入らないがまあいいか、と高見の見物を決め込むつもりでいた。時計塔には高度な封印魔法がかけられていたらしく、エテルがやったのはありとあらゆる封印魔法を探す魔法だという。


(冗談だろ? それができるのは教師レベルでもお目にかかれないぞ。魔法騎士団とかの実力だろ)


 入学したばかりの同級生たちはエテルの凄まじさに全く気づいていない。あらゆる属性に対応しているということは、あらゆる属性を習得していることに他ならない。

 ここに教師が一人でもいたらパニックになって王都へも推薦状を書いているところだ。推薦者にも褒美が与えられるためである。褒美がもらえるからといってもちろんロジクスはそんなことをするつもりはない。


 ここまでレベルが高いとなると、いよいよ本当に魔術を探している魔術師なのではないか思えてくる。つまりそれだけロジクスもリスクを取っているということだ。このままエテルに探りを入れたり、魔術を探すのを面白そうだからという理由で続けるべきではないのではないかと思えてくる。


(面白いことは確かに好きだが。昔から何でこんなに執着できる何かを探してるんだろうな俺は)


 新しい事をやってみては違うな、とあっさりやめてきた。飽き性、長続きしないいい加減な奴だとか家族からは若干見下されていた。

 だが、何を求めてもすっきりしなかった。魔法学校などお堅いところに行こうと思ったのも、生徒募集のイベントに暇つぶしに参加した時「ここだ」と思ったからだ。ここなら、己を満たせる何かがあると。

 魔法も習得できればあのクソみたいな家族から離れられるかもしれないという期待もあったが。何かを探したい、と思い続けていた。


 その後一年生たちは地下の封印を解いてそのまま下に向かっていったようだが。今までの言動からもエテルがさりげなく皆を地下に向かわせているような様子がうかがえる。

 好奇心旺盛な者たちが多いので、どうする?と聞けば行ってみようよと言う者が必ずいる。そうやって自分から何かをするとは言わず周りのものに「行く」と言わせているように思えた。


(他者を操る話術が完璧だ。鬱陶しいのが寄ってくるから自然と身につけた会話術ってところか)


 影から聞こえてくる会話はいたって楽しそうで緊張感の欠片もない。本来であればもっと装備を整えて警戒しながら進むべきなのだが。そもそも封印魔法をされている時点でそれなりにやばいことに足を突っ込んでいると一年生たちはわかっていないようだ。

 音を聞いているだけではわからない、影を使って中の様子を見る。これをやると自分の目を閉じていなければいけないし、かなり集中力を使うので他のことが一切できなくなる。自室にいるので今は問題はないが、トータが戻ってきたら影を操るの止めなければならない。

 すると一人が罠を発動させてしまったようだ。しかも命を落とすには充分すぎる悪質な罠。


(おい!?)


 さすがに焦る、一年生に死者が出ていいわけではない。しかもエテルは何もしようとしない。


「クソが!」


 影から障壁の魔法を使った。それによって一時的に罠は防げたようだが自分が使ったのはかなり弱い魔法だ、すぐに打ち破られる。一年生たちは慌てて下に向かって走り出していた。


(岩どかして上に行けよアホか! 下なんて逃げ道自分たちで塞いでるだろうが!)

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