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2 猫として転生する
次の瞬間、私が感じたのは生暖かい感覚。
そして、心臓が鳴るような胎動の音。
どうやら、ここは母猫の胎内のようだ。
もうすぐ私は、猫として産まれるところらしい。生暖かい血の匂いと共に、母猫の胎内からゆっくりと押し出される。
産まれ出た瞬間、寒くて震えそうになった。私は何か膜のような物に包まれているらしい。それを母猫が、引きちぎって出してくれる。そしてざらりとした暖かい舌で、私の身体を舐めてくれる。
辺りは暖かい布に包まれていた。私は母猫の乳を探す。下半身にそれはあった。吸い付くように私は乳を飲む。乳は暖かく、ほんのりと甘い。
私の他にも兄弟が何匹かいるようだが、目が見えないので数は分からない。
やがて私は、母猫のゴロゴロという喉の鳴る音を聴きながら、眠ってしまった。