1 猫に転生することを決める
それは、駅からの帰り道で起きた出来事だった。
自転車で大通りを渡ろうとした時、信号が赤になりかけ、そこにトラックが突っ込んできた。
次の瞬間、私は葬儀の会場にいた。
会場にいるのは、父、母、妹。妹は泣いている。
ふと、祭壇を見た。祭壇に飾られているのは、私の写真。
「私、死んだの…?」
そう、呟いた時だ。
「そうです。あなたは死にました。ですが今なら、転生させてあげることが出来ますよ」
声のする方を振り返ると、そこにいたのはー
「あなたは、天使?」
頭の上に輪のついた、羽根のある女性がふわふわと浮かんでいる。
「そうです。次の中から転生先を選んでください。
1.某モンスターを集めるゲームの電気ネズミ
2.某長寿変身ヒロインアニメのマスコット妖精
3.猫
時間が無いので3分間以内に選んでくださいね」
ーって、転生先に人間無いの?
そして、ちょっと待って、電気ネズミ。世界的に有名なアレだよね?
マスコット妖精も、一体どの作品なのか説明無いの?
って言うか、その二つはこのサイト的にまずくない…と思うんだけど。
…となると、転生先は一つでしか無い。
「猫でお願いします」
「分かりました」
天使は微笑むとうなずき、次の瞬間。
また私の意識は消えていったー。