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女子校の王子様
「天宮さん!おはようございます!」
「奏さん!今日もカッコイイです!」
「おはよう!うん。ありがとう。君達も今日も可愛いよ」
「「「きゃーー!!!」」」
私、天宮 奏が通う学校は、中高エスカレーター式の女子校。所謂お嬢様学校というやつだ。
良くも悪くも、私はよく目立った。
可愛い女の子だらけの女子校に、首が隠れるくらいのショートカット、女にしては大きい背丈。可愛いものよりかっこいいものが好き。
成績も悪くない。いや、むしろ勉強はよくできる方だ。学年では常に5位以内に入っていて、スポーツも得意。
と、なれば……
女子校という特殊な環境で王子的立ち位置になってしまうのも、やむを得なかった。
苦痛ではない。むしろ楽しんでいた。
女の子にチヤホヤされて嫌な人っている?逆に。
そんな感じで人生をチートのように楽しく生きていた私は、ある日突然交通事故に巻き込まれて死んだ。