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エルデン・グライプ~「不滅者」は混沌の世界を狂気と踊る~  作者: 津崎獅洸
第一部

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89/275

87:何に使おうかな


残った鱗は34枚。それを良質順に部屋にならべて7人は鱗を見下ろした。


「99%までの綺麗に剥げた鱗の残りは4枚。これは金貨70枚だな」


ノアがそれを纏めて横に置く。

ノアの観察眼の鋭さはここまでの旅路でもよく分かっていたが、此処でも発揮できるとは思っていなかった。


「98から90は7枚。どうする?これも70枚か」


見上げられたレラは一瞬考えてカークを見やり、肩を竦めた。


「友好関係を築こう」

「じゃあ、これも70」


それも先ほどの山に積まれていく。


「89から80は12枚」

「それは60」

「おっすー」


別の山が作られて12枚。


「残り11枚は79から70。限界値だ」

「55にしとくか」

「はいはーい」


ゼトは何を言うでもなくにこにことそれを眺めている。

目の前で高額取引が行われているのに緊張しているのはどうやらカークだけだったようだ。

内心心臓をバクバクと鳴らし、煩い程で、冷や汗を垂らしているのに全員どこ吹く風。


「11枚が査定金貨70枚で770枚。12枚が査定金貨60枚で720枚。11枚が査定金貨55枚で605枚。合計、金貨2095枚」


そこで初めてゼトが口を開いた。


「金貨2095枚でよろしいでしょうか」

「も、勿論です、ゼトさん!」


あわあわとカークは慌てふためきながら答えるとゼトは苦笑した様だった。


「直ぐにお渡ししますね」


レラがポーチから中身の詰まった革袋を2つと、小さな袋を取り出す。


「これが一つ、1000枚。95枚は今出す」


そう言って机に金色に輝く9の塔と5枚の金貨が置かれる。


「これで取引完了と言う事で」

「あ、はい・・・・・・」


カークには実感がわかない。これ程の大金どうしたらいいのか。

勿論装備も欲しいが、生憎ここは宿場街。高級街などは存在せず、腕がよく信頼できる鍛冶屋などはあまりいない。


「魔法のポーチが欲しいな」


ぽつりと言った言葉に、ノアとレラは顔を見合わせた。


「買いに行けばいいだろ」

「この街にあるのか?魔法ポーチ売ってる魔法道具屋」


レラはカークの答えに鼻先で笑う。


「お前の魔法が腐ってるぞ」

「あ」


【門の創造】か。だが、ロージニアまでは結構な距離がある。魔量回復剤を使用するほかないだろう。

ゼトは今度ははっきりと苦笑してカークにいう。


「こちらも時間がかかりますし、一度ロージニアに戻っては?」

「いいんでしょうか?」

「はい、大丈夫ですよ。ただ、明後日の朝には出発しますので、それまでには戻って下さい」


ゼト達に感謝しながらカーク達は自室に戻った。




今まで3人部屋だったが、これからは4人部屋だ。宿屋の主には了承を取っている。


「シンジュ。ここが俺達の部屋だ。まあ、今からロージニアに戻るけど」

「そうか」

「一緒に来てくれるか?」

「貴公がそれを望むのなら」


ぶっきらぼうな言い方ではあったがカークは彼女の表情をつぶさに見て本音を暴き出す。


(まんざらでもないって感じかな?)


友達が多い方に見えない。いや、生まれたところで直ぐにあの村に送られたから何とも言えないか。


「じゃあ、4人で行くという事で」

「誰か残ってなくて大丈夫でしょうか?」


オニキスの言葉にカークは苦笑する。


「残ってたとしても、彼らはこないだろうしなあ」

「そうですか?」


なんとなく分からないような分かる様なという微妙な顔を見せるオニキスの頭を撫でつつ、考える。


「ロージニアまで4日かかったから・・・・・・360km前後か?」

「途中山道もありましたが」


ルリの言葉に頷きつつまあ、兎に角、試す以外に手はない。


「消費魔量(MP)22か23か。俺のMPは270だったかな」


方向性が決まればいざ。


「建物内でやっても大丈夫だと思うか?」


ルリは無表情で答えた。


「止めておいた方が良いと思います。万が一繋がった先で猛獣がいないとも限りませんし」

「その猛獣が部屋の中で暴れたら目も当てられないな」


カーク納得して外にでた。





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― 新着の感想 ―
[一言] 84話でmpが270となっていますが、今回の325という数字はどこから出てきたのでしょうか。
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