第73話 男女の営み
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はぁはぁはぁはぁ
「あっ、アイラさんもう駄目かも……イ、イキそうです」
二人の額から玉の様に吹き出す汗。
はぁはぁはぁはぁはぁ
「えっもう、久しぶりだからって早く無い!?そこからまだ挽回出来るでしょっ」
「も、もう無理です、イクっ、イっちゃいますっ!」
ーーーーパンパンパンっ!!
ユーゴがアイラの膝のあたりを激しく……
タップした。
「ギブです、ギブギブギブっ!腕の骨がイッちゃいますっ!!!」
アイラの腕ひしぎ逆十字が完全にユーゴの左腕に極まっていた。
「ふぅー、体術はまだまだ私の方が上だねえ。まあユーゴは成長加速っていうチートがあるから、直ぐに抜かれちゃうんだろうけどねー、アハハ」
「アイラさん、絶対今のうちと思ってわざとやってますよね……」
王都を出るまでの数日間、一通り開店準備の終わったユーゴは久しぶりにアイラとの格闘訓練を楽しんでいた。前回コリーに体術のみで負けた悔しさから、新たに体術スキルを覚える目論みもあった。
「それじゃあ、次行くよ次っ!ポーションを飲むにはまだ早いよーっ」
「アイラさんも大概ですね……よしっ、さぁこぉぉぉいっ!!」
結局この日は限界まで訓練をしてポーションで回復するをひたすら繰り返し、二人の体術スキルは確実に成長したのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
翌日、朝早くに王都の北門を出た二人は全力疾走で北に向かって走り出した。そのスピードは殆ど陸上の短距離走と言っても過言では無い。
もちろんアイテムボックスには、十分な量のヒールポーションと完成した樽が大量に収納されている。
王都の北部は北に行けば行くほど山間部が広がっており、その山間から湧き出る水がやがて一つの川となり、王都へとその山の恵みをもたらしていた。
森が多い分魔物も数多く生息しており、その所為で逆に盗賊は少ない。通常、行商の馬車は森を避ける様に街道を行くのだが、こと二人に於いてはその限りでは無かった。森の獣道でさえ〈パルクール〉の様に次々障害物を避けながら、スピードを落とさずに駆け抜けるのだった。
途中で道を塞ぐ様に襲ってくる魔物もチラホラいるのだが、今回は採取や討伐が目的では無いので上手く躱しながら先に進んでいく。どうしても倒さざるを得ない場合に限り、斬り伏せはするものの魔石を回収する時間は無かった。
因みに倒さざるを得ない魔物=逃げられない程度に強くて高ランクな為、二人の経験値は勝手に貯まっていくのだった。
そのまま走り続ける事約一日半、ユーゴの探知網に僅かにだが自分の魔力反応が現れた、ヴィクター達だ。
「アイラさん見つけましたっ!このまま西の街道に出て、30分くらいの距離ですっ」
「思ったより早く追い付いたね!何かあったのかな?」
「取り敢えず急ぎましょうっ!」
「うんっ」
二人は念のため、ヴィクターの元へと急行する事にした。しばらくすると遥か彼方で馬車が足止めを食っているのを発見した。どうやら二体の巨人型の魔物に襲われている様だ。
「やっぱり襲われてますね、アレは……」
「うん、トロルだね。しかもデカい。奴ら再生能力が高いから一撃で決めるよユーゴ!」
「はいっ!了解です」
二人は残り200m程で更に加速をする、そのスピードは短距離のオリンピックレコードを遥かに超えていた。残り50mと言うところでようやくトロルは二人の存在に気付いた。
護衛の冒険者のリーダー〈チャーリー〉はトロルの視線のわずかな変化に気が付いたが、前を向いている為まさか後ろからユーゴらが走ってきているとは知る筈も無い。
と、次の瞬間。チャーリー達の背後で地面を強く蹴る音が聞こえたかと思ったら、目の前の大型トロルの首が二体同時に身体からずり落ちていく。その鋭利な切り口は何者かが刃物で首を切断した事を意味していた。
「なっっ!?」
ーーーーーズ、ズゥーーン
倒れたトロルにより土埃が巻き起こる。やがて土埃が収まっていくと、その二体の亡骸の先には見覚えのある男女の冒険者の姿が。
「えっ、もしかして……」
かくして護衛者とトロルの一時間にも及ぶ死闘は、ユーゴとアイラに一瞬にして掻っ攫われたのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「しばらくぶりですっ!えーっと確かチャーリーさんでしたよね。何だか獲物を横取りしちゃったみたいですいません」
冒険者のリーダー《チャールズ・ジョリー》は、まだ一度しか会っていないユーゴが自分の名前を覚えてくれていた事に驚いた。
「いえっ、とんでもありません。正直助かりました、再生能力が凄くて手こずってましたから」
辺りが静かになったのを確認すると、ようやく馬車に隠れていたヴィクターが顔を出した。
「チャーリーさんやりましたか……!?って、ユーゴさん、アイラさんっ!」
「あっ、ヴィクターだ、久しぶりー」
「思ったより早く見つけちゃいましたっ!あっ良かったらまたすぐに追いつくんで先に行ってて下さい。ここまで大物だと流石に勿体無いんで、魔石とお肉だけ回収しちゃいますね」
「ハハハ、分かりました。我々は倒しても元より放置の予定でしたからね、では後ほどっ!チャーリーさん行きましょう」
「了解しました!」
一行は手早く装備を整えるとその場をすぐ様出発した。ほどなくして無事回収が終わった二人は、宣言どおりにすぐにキャラバンに追いついたのだった。
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