第47話 ジ・オッド・カップル
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今回の旅はユーゴとアイラの二人旅だ。ハインは特に王都に行く程の用が無いらしく、今回は遠慮するとの事だった。
そうなると邪魔するものは誰もいない、ユーゴとアイラの二人っきりだ。
そんな体力の有り余った若い二人がやる事は一つだった……
はぁはぁはぁ
「ア、アイラさん、僕もう駄目ですっ」
「えっ、もう?早すぎるよっ、もうちょっと頑張りなよ!」
はぁはぁはぁはぁはぁ
「こ、こんなの初めてですっ」
ユーゴの息が段々と荒くなる。
「あ、もう駄目ですっ!
あっ
あっ
足がつりましたーーーーっっ!!」
「もうー、じゃあちょっと休憩しよっ」
ネグロンの町を出てから約5時間。ユーゴとアイラは馬車並みのスピードでずっと街道を走りっぱなしだった。ユーゴの足がつってしまったのも無理はない。街道脇の木陰で少し休憩を取ることにした。
とり急ぎユーゴはアイテムボックスからポーションを取り出すと、グイッと飲み干した。
「ぷはぁー、ヤバかった。アイラさん走るのまた速くなって無いですか?」
「そかな?ユーゴもSP使って〈疲労回復〉と〈素早さ〉上げちゃえば良いのに」
「何か僕、あんまりSP弄るのは乗り気じゃ無いんですよねー」
ちなみに今のユーゴの身体能力は以下の通りだ。LV4になった為ユーゴのステータスも上がっているのだが、カッコ内のアイラの数値と比べると流石に見劣りする。
-体力
体力2(4)
疲労回復3(4)
-筋力
筋力3(4)
-素早さ
素早さ1(2)
ちなみにSPを使わずとも〈成長加速〉の効果なのか、ユーゴは新たに二つのスキルを習得していた。どちらもバーテンダーには必須なスキルなので、素直に嬉しい。
-技術
探知0 NEW
-知力
創造力0 NEW
「それに僕は将来父さんの後を継ぐのが夢なので、SPは何かの時の為にまだ取っておきたいんですよ」
「私はまたSPが貯まったら、すぐに使っちゃいたいけどね」
「ハハハ、アイラさんはお金もあればすぐに使っちゃいますからね」
5分ほどの休憩で二人は再び走り出す。ポーション使い放題というチートがある為、この〈おかしな二人〉はなんとたった二日で王都まで走り抜けたのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「ヴィクターさん、おめでとうございます!」
二人はヴィクターが新しくオープンしたリカーショップ《ヴィクターズ》に来ていた。
「おおー、ユーゴさん、アイラさん。ようこそいらっしゃいました。ネグロンは早めに出られたんですか?お手紙では明後日ぐらいの御到着だったと記憶していますが」
「いえ、寝ないで走って来たら早く着き過ぎちゃいました、ハハハ」
「あ、相変わらず無茶苦茶ですねっ。まあ、立ち話も何ですからどうぞ中へ」
〈ヴィクターズ〉はオープンしてまだ数日ではあったが、王都の中流階級の市民が殺到して列を成していた。
「凄く盛況ですね!」
「お陰様で良いスタートがきれました。上流階級の方々には混雑を避ける為に、お昼に3時間ほど時間を設けさせて頂いてます。」
あくまでもメインターゲットは貴族を中心とした上流階級である。公爵から順に案内状を出していき、先ずは一度見て貰ってから御用聞きをするという作戦だ。
それが功をそうしたのか、爵位がやや低い貴族達から、うちの順番はまだかまだかと急かされているそうだ。
「ユーゴさんの読み通り、〈ネグロン・カラシーナ〉も大変好評で増産が追い付かないほどですよ」
ヴィクターは心の底から嬉しそうにそう言った。ユーゴとしても喜んでもらえて何よりである。資金面では、今回トマス商会が全面的にバックアップをしてくれたそうだ。時間を作ってトマス商会にも顔を出さなくては。
「実は今回の旅はもう一つ目的があって、飛空亭の魔導コンロを作ってくれた、〈スター・ケイプ〉を訪れようと思ってるです」
「えっ、魔導コンロですか?おかしいですね、スター・ケイプは冷蔵室の設置しか行っていない筈なんですが」
(えっ?父さんはスター・ケイプに行けば全て分かると言ってたけど)
「あれ、もしかしたら僕の聞き間違えだったのかも知れません。直接伺って聞いてみますよ」
しかしこの後、ユーゴは予想もしていなかった人物と出会う事になるのだった。
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