表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金術師?いえ、バーテンダーです  作者: 比呂彦
第二章
24/102

第24話 銭ゲバ薬師

誤字、脱字、御指摘、感想 等もらえると嬉しいです。

翌日からアイラは稽古に復帰した。その日からまるで憑物が落ちたかのように稽古に打ち込み、しばらくはユーゴが一本も取れなかったほどだ。そして何故か素振り用の剣を更に重い物に変えていた。


ジョージは顔色こそ変えなかったものの、戸惑いを隠せなかった。


(バーバラの奴いったいどんな手を使ったんだ!?)


数日後。ハインから〈テーブル弁償費用〉として、金貨2枚(約20万円相当)の請求書が届けられた時に、ジョージは事の顛末を聞いて納得した。


「そりゃあウチのスタッフ達が迷惑掛けたな、すまん……」


「バーバラさん?だったかしら、彼女からふんだくって良いって言われたから平気よ。流石にビックリしたけどね」


「まあ、オマエの店でまだ良かったのかもな」


「金額は少しまけてあげても良いわよ?」


「いや、やめとこう。後でどんなお願いされるか分からん……」


「あら残念〜」


「お前と何年付き合ってると思ってんだよ」


「また御贔屓に〜」


「ああ、俺の飲み代が……」


ハインは金貨を懐にとっととしまい込んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーー


ユーゴは嬉しかった。最近元気の無かったアイラが、また以前の様に明るくなったからだ。しかも以前にも増して剣が鋭くなり、今週はアイラから一本も取れなかったほどだ。


ユーゴはそんな事を思い返し笑みを浮かべながら、ハインの店でポーション作りのバイトに励んでいた。


「あらユーゴ君、今日はなんだか嬉しそうね?」


「はい、ちょっと良いことが有って」


「そっか、良かったわね。ところで……そろそろ違うポーションも作ってみない?」


「えっ、良いんですか!?」


「ユーゴ君のおかげで私も大分助かってるからね」


現在ユーゴが教わって作っているのは2種類、〈ヒールポーション〉と〈キュアポーション〉だ。


ヒールは回復効果、キュアは状態異常に効くポーションだ。ただしユーゴはコンスタントに〈高品質〉を作れてしまう為、〈普通品質〉ポーションの1.5倍効くポーションはハインにとっても嬉しい誤算であった。


「ハイポーション用の薬草を仕入れたから、ちょっとやって見る?材料以外の工程は一緒だから」


「ありがとうございますっ!」


ユーゴはガラスの容器に全ての材料を入れると、いつもの様に薬品調合〈錬金術〉のスキルを発動する。ハインに教わった通り頭の中で液体が出来上がっていくイメージだ。


するとガラスの容器の中で全ての材料が金色に光りたした、時間にして30秒ほどであろうか。やがてその光が収まると、そこには薄っすらと青みがかった液体が出来上がっていた。


(何回見てもおかしいわね……普通は私みたいに白く光るはずなんだけど?)


念の為ハインが鑑定をかけて見ると、そこには予想していた通り


【ハイ・ヒールポーション】〈高品質〉


の文字が。ベテランのハインですら高品質のクオリティは3回に1回しか出せない。


「あっさり成功ね……ユーゴ君、貴方はもう私と同じかそれ以上の腕があるわよ」


「えっこれで成功ですか?やった!」


「材料沢山あるから、しばらく練習してて良いわよ……」


「はいっ、ありがとうございます!」


「はぁ〜、自信無くすわー」


ハインはアイラの落ち込んでいた理由が分かった様な気がした。何せハインの十五年に及ぶ薬品調合の技術を、わずか三ヶ月程でユーゴは超えてきたのだ。普通ならば妬みや悔しさといった気持ちを抑えられないであろう。


ただしそこは年の功、ハインはアイラほどやわな性格では無かった。


コンスタントに高品質のハイポーションを作り続けるのは、王都の薬師ギルドの連中でも簡単なことでは無い。


(もしユーゴ君と組んでハイポーションを安定供給する事が出来たら?薬師業界を席巻して、ポーション王になる事も夢じゃ無いかも!?)


ハインは黒い笑みを浮かべていた。


ハインは誰から見ても美しく、優しく、完璧な女性ではあったが唯一つだけ欠点があった。そう、残念な事に彼女は究極の拝金主義者だったのだ……


一方ユーゴはそんな事になっているとはつゆ知らず、無料タダで練習出来てラッキーっ!とばかりに、その日は二種類の高品質ハイポーションを作り続けたのであった。



参考価格(普通品質)ーーーーーーー


ポーション各種1本 大銀貨1枚 10,000円

ハイポーション各種1本 

金貨1枚と大銀貨2枚 120,000円


ポーションの品質は調合した薬師の腕によって異なり、下から 低品質→普通→高品質→最高品質となっている。


又、ポーションとハイポーションの効果の違いは10倍ほどだが、ポーションを10回使ってもハイポーションと同じ効果は得られない為、ハイポーションの方が金額は高い。


ご愛読ありがとうございます。 よければブクマ、

評価していただけると嬉しいです。


お好きな星を入れてください。

★★★★★

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ