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錬金術師?いえ、バーテンダーです  作者: 比呂彦
第一章 
21/102

第21話 帰り道〈アイラ視点〉

誤字、脱字、御指摘、感想 等もらえると嬉しいです。

薬草は採取方法が適切であれば、日持ちするとは言えやはり当日の買取りが望ましい。アイラはまだ日が高い内にゴブリンの魔石と薬草の残りを持って〈冒険者ギルド〉へ換金に来ていた。


ちなみに薬草の半分はハインがギルドの買取りよりも割高で買い取ってくれている。それでも市場で買うよりは安いからだ。


ギルドの中に入ると、アイラに一斉に視線が注がれた。今ではもう慣れたが、駆け出しの頃は女だからと言う理由だけでよく舐められたものだ。


まだ日が高い為か人影はまばらであったが、クエストをチェックしている者や立ち話をしている者。酒場ではエールを片手に冒険者談義に花を咲かせている者や、酔い潰れて寝ている者など実に様々だ。そして視線のそれぞれが興味を失った様に元の喧騒に戻っていく。


まだまだ初級冒険者とは言え、今ではアイラに絡んでくる者はほとんどいなかった。ジョージの弟子だという噂が拡まったのが理由だ。


ーーーーーーーーーーーーーーー


「やっほー終わったよ〜。ほいっ、今回のクエストの薬草ね。あとこの魔石も換金して」


アイラは自分とハインのギルドカード、そして今回の買取り希望の品をカウンターの上に出した。カードには名前と冒険者ランクが魔力で記載されており、仮に盗まれても他人が使う事は出来ない。ただし再発行にはお金も時間もかかる為、余程信頼の出来る相手にしか預けたりはしない物である。


アイラが声を掛けたのは、ギルド職員の担当受付嬢 《ケイト》だ。少し勝気で気が強いところもあるが、荒くれ者の冒険者相手には必要な素養だとも言える。また、その確かな鑑定眼にはギルドマスターも一目を置いていた。


「あらアイラ、いらっしゃい。薬草採取のクエストだったわね。ちょっと待ってて」


ケイトは手袋をはめ、葉物類の根や傷の有無などを手早く調べる。なるべく体温でダメージを与えない為の気づかいだ。〈ユズモドキ〉の様な実には、弾力を確かめつつも決して潰さない力加減が必要だ。


全ての薬草を10分程で鑑定し終えると、ゴブリンの魔石は片手の手のひらでコロコロっと転がした程度で鑑定を終わらす。


サイズ感とシェイプである程度判断ができない様では、魔石の鑑定係は務まらない。ましてやゴブリンの魔石には時間をかける程の価値は無いのだ。


「薬草は全て高品質よ、流石ハインね。いつもより量が多いけど自分の店の分は足りてたのかしら?魔石は3つともゴブリンね、傷もないからコレも全部引き取りよ」


「多分ね、そんな感じ。ありがとう!」


アイラは顔にこそ出さなかったが驚いていた。薬草の3分の1は確実にユーゴが初めて採った物だ。にもかかわらずの〈高品質〉。採取スキルを持たないアイラが信じられないのも無理はなかった。


「薬草は全部で大銀貨2枚と銀貨5枚、魔石3個で銀貨6枚ね。まとめて入れておくわよ?」


「うん、ありがと!」


現代の価値に直すと大銀貨2枚と銀貨11枚で31,000円。ハインの買取りと合わせて51,000円、均等に分けると一人17,000円の報酬だ。


ゴブリンリーダーの魔石や落とした武器などを全て換金してたとしても、戦闘で得られた報酬は一人4000円程度。生命をかけるには安すぎる。冒険者に憧れる者は多いが、戦闘だけではその多くが食べてはいけないのだ。


その為、薬草や鉱物などの採取スキルは地味に重宝されており、アイラとハインが組んでいるのは互いの利害が一致している事も大きい。もっともハインは薬屋だけでも十分に稼いでいるのだが。


「ところでアイラ、貴女そろそろD級の昇格試験を受けてみる気はない?」


ギルド認定の冒険者ランクはAからFまでの6段階。現在アイラは下から2番目のEランクだ。ゲームの様にレベルアップという物が目に見えて分からない為、その冒険者の担当ギルド職員の判断によってのみ昇格試験を受ける事が出来る。


「ホントっ?うんっ、受ける!」


「そういうと思ったわ、試験は二ヶ月後よ。しっかり準備しておいてね」


ーーーーーーーーーーーーーーー


ギルドからの帰り道にハインの店に寄った。預かっていたカードと取り分の大銀貨1枚、銀貨7枚を渡す為だ。取り分はいつも通り均等割り、今回は3人で割った。


「知ってると思うけどさ、全ての薬草が高品質だったよ……ユーゴってスペック高すぎっ!」


「今回の薬草は入手難易度がE,Fランクの物ばかりだけど、それでも凄いわね。恐らく採取系の才能があるんじゃないかしら?」


「アタシの時は、教わった通りやったのに全部低品質だったもんなー。くそぉ〜っ、私は剣の道に生きるんだいっ!」


「くすっ、元々そのつもりだったくせに〜」


「バレたかっ!アハハ」


「ユーゴ君は意外と学者肌なのかも知れないわね、今度ポーション作りにでも誘ってみようかしら?」


「お好きにどうぞー。その隙に私は修行してランクアップしてやるっ!」


「あら、昇格試験へのお誘いがあったの?」


「うん、さっきケイトから!」


「おめでとう!」


クエスト終了後、先輩女子二人はユーゴを話のタネに大いに盛り上がっていた。


翌日、アイラから月の稼ぎの4分の1に当たる報酬を受け取ったユーゴが、飛び上がって喜んだのは言うまでもない。


ーーーーーーーーーーーーーーー


その後もパーティを組んだ三人は、時折集まってクエストをこなしていく事になる。


そして初めての冒険から三ヶ月後、誕生日を迎え成人したユーゴは正式に登録をし、晴れて冒険者としてデビューする事になった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


参考価格


10円 銅貨

100円 大銅貨

1000円 銀貨

10000円 大銀貨

10万円 金貨

100万円 大金貨

1000万円 白金貨

いつもご愛読ありがとうございます。 第一章はここまでです。

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