第11話 鑑定能力!?
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次の日。早起きしたユーゴは早速自分の部屋でいくつかの実験をしてみる。知っている人の名前を何人かステータスブックに書いてみたのだ。
まずは父ジョージ。
(ふっふっふ、これで今まで謎だった父さんの最強ステータスが丸裸に!それでは、ドンっ!)
【ジョージ・エジリ】(45)男 LVーーーーーーー
ーーSPーー
-体力ーー
-魔力ーー
-筋力ーー
-技術ーー
-防御力ーー
-知力ーー
-素早さーー
-運ーー
「意味ねーーーーーーっ!!」
恐らくレベル差がありすぎて表示されないのであろう。よく考えたら鑑定と同じ様な能力なのでスキルを取得する必要があるのかも知れない。
(やっかいだな……)
次はダメ元でアイラだ。
女性のステータスを勝手に見るのはなんだか申し訳ないが、知り合いが少ないのを言い訳に、好奇心が勝ってしまうのが思春期の男の子なのである。
(はいドンっ!)
【アイラ・バーレイ】(18)女 LV3ーーーーーー
戦士 SPーー
-体力ーー
-魔力ーー
-筋力ーー
-技術
剣術2
-防御力ーー
-知力ーー
-素早さーー
-運ーー
「あっ!!ちょっとだけ出た……?」
(なになに、レベルと職業と一部スキルだけが表示されてるな。という事はこの本による鑑定は僕のスキルではない?僕のレベルが上がればもっと表示されるのか?謎だ)
となると、次に確認したいのはこの剣術2というスキルがどのくらいの強さなのかって事だ。僕が持っているスキルのレベルはまだ0だから、それよりも二段階優れたスペックなのは間違いない。
(今度アイラさんに剣術教えて貰おうかな?)
ーーーーーーーーーーーーーー
換気の為に開け放った窓からの風と日差しが心地よい。
今日はせっかくの休みなので町をゆっくりと散策してみることにした。
スキルポイントの事はひとまず置いといて、この町の事も少しずつ知っておかないといけない。
恐らくこの世界のユーゴは引きこもり体質だったはずなので、そんなに僕の顔は町の人に割れていないだろう。
そんな気楽な気分で通りを歩いていると、
「おーい!ユーゴじゃん。買い出し?」
突然後ろから声を掛けられてビクっとした。まさか僕って意外とこの辺りでは有名人なのか??マズいぞ知らない人だったらまた面倒なことに!
恐る恐る振り返ると……
「ア、アイラさん!?もービックリさせないで下さいよ〜」
「えーっ普通に声かけただけだよー?なんかやましい事でも考えてたんじゃないの〜?」
(はい、やましい事はあります)
「普段あんまり町に出ないものですから、そりゃあビックリもしますよ〜」
(ステータスを勝手に見ようとしてゴメンなさい)
「そっかゴメンゴメン。今日は休みなの?」
「はい、父から急遽お休みを頂いたんですよ。たまには息抜きも必要だって」
「へーそうなんだ。あ、そうだ良かったらお茶しない?御馳走するよ!昨日私だけチップ沢山貰っちゃって悪いからさーへへへ」
「え、良いんですか?じゃあお言葉に甘えます」
丁度聞きたい事もあったので二つ返事でOKした。昨日は食いしん坊の戦士とか言ってゴメンなさい、これが大人の余裕という奴なんですね。
アイラさんは普段からラフな冒険者スタイルだ。ベージュ系の厚手の布装束に革の胸当てと揃いのブーツ。日が当たる度に明るく輝く、耳に掛かるくらいの短めの赤い髪がとても印象的だ。
(これってある意味デートだよな…?昨日も初対面にしてはアイラさんかなりフレンドリーだったし)
彼女いない歴=年齢のユーゴ(勇悟)はひとり勝手に妄想を膨らませていたが、もちろんアイラにその気は全く無い。周りから見たら完全に仲の良い兄弟である。
ユーゴは歩きながらスキルについてさりげなく聞いてみる。
「そういえば、アイラさんは剣の修行を始めてどれくらい経つんですか?」
「本格的には冒険者になってからだから……まだ2年ちょっと?でも、そこいらの男連中にはそうそう負けないよー」
「凄いですね!ちなみに魔物と闘うとしたらどんな感じですか?」
「そうだなー、ゴブリンとかだったらギリ同時に三匹までなら勝てるかなぁ、敢えてそんなリスクは冒さないから分かんないけど。流石にオークは一人だと自信ないや」
「へーー、オークって強いんですね!」
「うん、力が強いからね。だけど食べると超美味しいんだよね〜、昨日も賄いで食べたけど。やっぱソロでオークを狩れるようになりたいよねー、そしたら食べ放題じゃん!」
「はは、確かにそうですね。食べ放題って……」
やはりアイラさんは残念な〈美人食いしん坊戦士〉だな……と、再確認しつつ昨日賄いで食べた豚肉が、予想通りオークの肉だったことを知りユーゴのテンションは再び上がる。
「ところでオークの肉はどこで買えるんですか?まだ店の食材の買い出しはやった事なくて」
「え、そうなんだ。まずオークの場合は入手経路が二つあるかな。自分で獲ってくるか肉屋で買うか。魔物は基本冒険者ギルドで解体されるから、だいたいのギルドには肉屋が併設されてるんだよね」
「へー、面白いですね。ちょっと覗いてみたいかも」
「良いよ。でもあれかな〜、私もある程度解体は出来るけど、ジョージさんに連れてってもらったほうが良いかも?」
「どうしてですか?」
「悔しいけどー流冒険者の解体技術と目利きは、私なんかと比べようも無いくらい早くて正確だからねー、私ももっと練習しなくちゃ」
「そう言うものなんですねー、勉強になります」
(今度折を見て父さんに連れて行って貰おうっと)
そんなやりとりをしているうちに、本日のお目当のお店に二人はたどり着いた。
「着いたよー」
「え、ここですか?」
「意外だった?そう、薬屋さんだよー」
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