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錬金術師?いえ、バーテンダーです  作者: 比呂彦
第一章 
10/102

第10話 トマスからの餞別

誤字、脱字、御指摘、感想 等もらえると嬉しいです。

ひと通りの説明が終わった頃、ユーゴは本から発せられるトマスの気配がなんとなく薄くなった様な気がした。


『と、まあこんな感じじゃ。あとはお主自身でいろいろと試して見ることじゃな。さて、悪いがもうそろそろお別れの時間のようじゃ、さっきからなんだか眠くてしょうがないわい』


「またまた〜、そんな事言ってまた後で出てくるんでしょう?」


『ほほほ……かも知れんな。お主とのやりとりは中々に楽しかったぞ。そうじゃ、餞別に〈錬金術〉のスキルをお主にやろう。超レアなスキルじゃがワシにはもう必要ないものじゃからな。


きっとお主のやりたい〈バーテンダー〉とやらに役に立つ日がいつか来るじゃろう。お主の幸運を祈っておるぞ、さらばじゃユーゴ……』


その瞬間フッ………と、トマスの気配は完全に消え失せた。


「あれっ、トマス爺さんっ?」


「えーーーっ」


突然の別れ、そして部屋には再び静寂がもたらされた。気配が消えた後にはユーゴのステータスページを開いたトマスの書だけが残されていた。


「トマス爺さん……」


実の祖父には会ったことがない勇悟。口論ばかりで短い付き合いではあったが、ユーゴの遠い祖先であるトマス。知らず知らずの内にどこかトマスに対して懐かしい感情を抱いていたのであった。


ユーゴはしばし呆然としていたが、ふとステータスブックの内容が違っている事に気が付く。


「あれっ?さっきはこんな表記無かったよな?」


【ユーゴ・エジリ】(15)男 LV1ーーーーーー

錬金術師 SP3

-体力

-魔力

 魔力操作0 NEW

-筋力

-技術

 錬金術0 NEW

-防御力

-知力

 読解力0

-素早さ

-運


(魔力操作と錬金術のスキルが増えてる…!?)


「凄い、トマス爺さん本当に僕にスキルを残してくれたんだ……ありがとう。このスキルは大切に使わせて貰います」


とりあえずこのとんでもないステータスブックの話は、しばらく誰にも話さないほうが良さそうである。


(とはいえ、せっかくのスキルポイントを割り振らない手はないよな)


発動しているスキルでさえ未だに0ポイントなところを見ると、1ポイントとはいえ馬鹿にならない効果はありそうである。


そうなってくるとどの能力にポイントを割り振るかが問題だが、ユーゴはまずこれまで圧倒的に悪かったと言える〈運〉にポイントを割り振ってみる。


ポイントが移動するように心の中で念じてみる……が、何も起こらなかった。


(しまった!割り振り方を聞いてなかった……マズいぞ、ドラッグ&ドロップとかでなんとか出来たりしないかな?)


試しに指でSP表記をなぞってみると数字が動き出した。


「お、やったぞ。これをスライドすれば……出来た!」


SP3→2

-運

 悪運0 NEW


「ちょっと待ていっ!」


悪運のスキルツリーが現れた。


「確かにここまでやって来れたのは幸運というより悪運の強さだけど、何もそこまで再現しなくても……」


無駄にスペックの高いステータスブックである。


ユーゴは気を取り直して残りの2ポイントの使い道を真剣に考える。1ポイントが5年分の人生の対価だと考えるとなかなか気軽には割り振れない。


-知力

 読解力0


は、恐らくずっと本を読んできた影響だろう。習慣化しているスキルには敢えてポイントを振るまでの事はないな。特に自分の努力では上げる事が難しいスキルにこそポイントを割り振るべきだ。


そして


-魔力

 魔力操作0


は、多分錬金術の発動条件なんだろう。錬金術と同時に発現したしね。


(この流れからすると技術にポイントを振るのは気を付けないとな。恐らく今振ったら〈皿洗い〉のスキルツリーが現れる予感しかしない…)


「あーー、決められないっ!」


他の人のスペックが分からない以上、結局悩んでも最善の方法は出て来るはずもなく……


「うん、また明日考えよう」


ユーゴは本棚から歴史書を適当に何冊か抜き出すと、それを読みながらいつの間にか深い眠りに落ちたのだった。


ご愛読ありがとうございます。

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