9:続きますよ自己紹介
「………ぇ?」
エミルと2人ベッドに座って色々なお話をしていますと目の前に男が…立っていた。
『あ、アシリッド様お帰りなさい。もう戻ったんですか?』
「hkwlwklbd」
『今回のお散歩は堪能できました?』
「kwgbrgl。xsdr」
『そうなんですか?
あ、そういえば彼はユウタさん。なんと私が見えるんですよ。お話とかできちゃうんです。きっとアシリッド様のことも見えてると思いますよ? あ、でも彼『渡り人』なんで、この世界の言語知識がありませんから、お話するなら《念想》で話しかけてみてくださいね』
驚くことなくカーテンの閉められた窓を見ながら、エミューテイネルはそんなことを口にする。
まぁ、話しかけているのは窓ではないのはわかっているのだが……。
「ちょちょ…エミルさん?…もしかして…この人って……」
『あ、紹介するね。さっきお話してた人。妖属魔王アシリッド様、だよ』
目が合ってしまった。じーっと凝視されている。見え方からして生者ではない。黒髪の長髪の男性だった。切れ長の金の瞳、見るからに長身だとわかるその姿。黒を基調とした漫画とかで見たことあるような西洋の衣装。里の人たちは耳長だがこの男は普通? でも少し尖っている。
20代後半くらいだろうか……。正直言って、超が付くほどの美男子だ。こんな感じの美男は例えるならば妖艶なヴァンパイアとでもいうべきか。
『なんと!!? 我の姿が見えるのか、我の声が聞こえるのか? 《念想》で語りかけているぞ、どうだどうだ答えてみろ!』
と、両手を広げて宣言している。うん、黙っていればイケメンタイプだ。
黙っていれば……。
「えっと…見えて…ますよ? 聞こえてますよ」
『ほほう、これは面白い。ならば小僧』
「何ですか?」
目の前のイケメンが魔王様というのはエミルの言葉とこの男の態度で理解できる。だが、今は幽体。悠太にとっては善霊と同じ立場なのだから、そこまで恐怖心はない。というか、鳥肌一つ立ってない。
だが、幽体とはいえ目の前の男は魔王だ。悠然とした態度で悠太に命令をした。
『我と『契約』せよ。そしてその身を我に捧げよ』
「……………いえ、遠慮します」
だが悠太はそんな命令乗る気もない。何だ、その身を捧げろって……。悪霊が体を乗っ取ろうとする時と大差ない。
『えーーー!! なぜ遠慮などするのだ。我の役に立てるのだから名誉なことだろう?』
あ、いや悪霊と違って、ちょっと幼稚な答えが返ってきた。
「俺は体の乗っ取りが名誉なこととは思わないし、魔王様の役に立ちたいとかも思ってませんので、俺のことは無視してくれて結構ですよ。ってか俺が無視します」
悠太も負けない。善霊相手に弱気になんてなるわけない。
『小僧、この我に意見するとは中々の身の程知らずだな……』
空気が変わる。善霊であるはずの魔王様の周りに淀んだ空気が流れる。
「……」
少しやばいかも…仮にも魔王様とか言われてる霊だし…と悠太が少し後悔した頃
『でも我、そういうの嫌いではない。うん、寧ろ清々しいな』
と続けた。どうやらお怒りではないようだった。しかし空気の淀みは変わらない。これはどういうことだろうか。
『ハハハハ、良いな、エミル以外との会話が久しぶり過ぎて心地よいぞ。時に小僧。貴様何者だ? 今更だが、自己紹介がまだだぞ』
「へ? あぁえっと俺は新…」
『我は魔王! 妖属魔王アシリッド・リッフェ・ラクシアーラ!! そしてこれが、』
アシリッドが右手を横に出すと、そこに黒紫の大剣が現れる。大剣は現れたと同時に高く掲げられ、アシリッドは再度宣言。
『これが我が魔器、魔剣アネスティア!!』
ドヤ顔決めているが……
「……あの…魔王、様、貴方の魔剣天井突き抜けてますよ?」
狭い部屋で大剣を振りかざすものだから、剣先が天井を超えている。
まぁ、幽体だから実際に突き抜けているわけではないが、繊細な模様の施された黒紫の大剣が半分以上天井で隠れていてもったいない…というか、見た目が残念だ。
『あぁ…ここは自己紹介には少し狭いな。まぁ良い。我の紹介は終わった。ならば貴様だ。まず名乗れ。そして答えるのだ。何故我らを認識できるのだ? 『渡り人』だからというわけでもなかろう。魔法か? 加護か?』
「あ、えっと…俺は新…」
『あ、ユウタの私たちが見える力は元の世界での力だそうです。でも言語理解系の加護は付かなかったみたいで…だからお話は《念想》なんです。で、いいんだよね、ユウタ?』
「え、あぁ…そうそう」
どうやら自己紹介はエミューテイネルがやってくれるらしい。
『ほう、元の世界の力……か、実に興味深いな』
納得するとまたアシリッドはユウタを見つめる。
『小僧、やはり我と『契約』を』
「しません」
『だって我、エミルとしか話せないの悲しいし、小僧なら簡単に』
「ちょ、簡単にって何!? やめろよ、俺は全力却下だからなッ!!」
何だか異世界チートで無理やり乗っ取られそうでちょっと口調が普段のものに戻る。一応魔王様、年上ということで、ですます調で話していたが、そんな余裕がなくなった。身の危険を感じてまで丁寧口調なんて出来ない。
『……ケチ』
だが、意外に魔王様はあっさりと引き下がった。
『ユウタ。アシリッド様はね、嫌がることを無理やり押し通そうとはしないの。きちんと同意を得た時だけあんなことや、こんなことをするのよ』
あんなことやこんなことがどんなことなのかは聞かないでおこう。
『でも、理不尽なことには問答無用で理不尽で返すけどね』
それも気になるが……聞かないでおこう。
『まぁ、その身その魂我に捧げたくなったら我を呼べ。我どこにいてもすっ飛んできて奪うから』
「だから、遠慮しますってばッ!!」
『ハハハ…面白い小僧だな。貴様は下僕にしてもいいかもな』
「下僕にもならないから! ってか、俺日本に帰りたいからッ!」
どんどん話が進むので、気づけば悠太はツッコんでばかり。何だろう、このやり取り。
『まぁ、時間はある。よく考えることだ。それじゃエミル。我ちょっと妖属の様子を見てくるぞ』
『アシリッド様またお出かけですか?』
『うむ。今回ルルの町まで行ってたんだがな、少し気になる話を聞いてな…真相を確かめてこようと思うのだ』
『そうですか…この状態なら情報だけならいくらでも収集出来ますもんね。しっかり情報収集してくださいね。あ、今度は補充できそうです?』
『うむ……前回も駄目だったから難しいだろうな……。まぁ、色々と試してはみるがな。故にひと月程留守にする。ミディルの森の妖属の住処をすべて見てくる予定だ』
何やら突然シリアスモードの魔王様。やはり、ただの幼稚な魔王様ではないようだ。
悠太は言葉を挟まず、ただ成り行きをただ見ている。これは自分が関与することではない、とそれくらいの理解はしているつもりだ。
『どうも嫌な予感がするのだ。まぁ、そういうわけだから、エミル。急ぎ行ってくる。小僧もまたな。次会うときは是非我の下僕』
「だからならないって!!」
『なら、付いてくるか?』
「行かねぇしッ!!」
『はははは…ノリのいい奴め。では行ってくる』
自分は関与しないと悠太は決めていたが、ツッコミを入れたのはわりとあっさりだった。
そうして魔王様は去っていった。怒涛のように現れて去っていった。
◇
その後、しばらくエミルと一緒に他愛無い話をした。とても穏やかなものだった。魔王様はマジ嵐で荒しだったな、と悠太は思う。
「エミル…俺と一緒にここ出ていく気ある?
俺は霊に干渉できるんだ。エミルはこの世界で言うと幽体ってのになってるって話だから、それの成り立ちがどうなのかはわからないけど、こうやって干渉できるから、人間族の町での情報収集とか結構役立つと思うんだ。俺さ、日本に帰りたいとは思ってるけど、情報ないし、これからのことまったく無計画だから、力になれるならなりたいなって」
彼女はいい子だ。ちょっと…いやかなり天然要素はあるが、それが十分にわかった。だからまだ生きる可能性が少しでもあるのなら…手伝ってあげたい。それは悠太にできることだから、悠太だからできることだから……。
『え、あぁ……うん、ありがとう。でも…何で?』
「何でって…そりゃ……心配して、くれた、から」
『…え?』
「ここに来て、ずっと怒りや憎しみの目ばっかり見てたし、行動や言動もみんな俺を嫌ってた。でも、エミルは俺を心配しくてくれたし、今もこうして話し相手になってくれてる。それだけで、助ける理由に十分だと思うぜ。
まぁ、一月後には魔王様も戻って来るって言ったし、気分転換感覚で情報収集するのもアリじゃないか?」
『私、今はこんなだけど魔人族だよ? それに…何の手伝いもできないし…』
「ダイジョブ、ダイジョブ、話し相手になってくれればOK!」
『シャルのことも心配だし』
「ダイジョブ、ダイジョブ、シャルのことね。ん? シャル?」
そう言えばさっきもそんなことを言ってたような……っていうかその名前どこかで聞いたような………。
『ユウタをここに連れてきた子いたでしょ。あの子シャルノイラスっていうの。私の…妹なの』
「……え? あの餓鬼…あ、いや、あの子…女の子、妹なのか……???」
どう考えても言動が男…あぁいやまぁ…性格や言葉遣いは人それぞれなわけで……。
『だから、ユウタの提案は凄く嬉しいけど……まだ考えが纏まらないっていうか……あ、それにアシリッド様が戻ってきた時、私がいないと泣いちゃうかもだし』
泣かないとは思うけど……あ、いや泣くかも?
それよりなにより、エミルには大切な家族がここにいる。今は見ることしかしかできないけど、元気でいることを確認するのが自分の体を取り戻すことより大切なこと……。エミルは今そう思っているのだろう。
「返事は焦らなくていいよ。明日の朝あの餓…ぁいや、シャルちゃんが来るまで余裕あるから。あ、あとその時に妹さんに言いたいことあるなら話すといいよ。まぁ、これ俺の特技? なんだけど、見えない人にも霊の存在を認識させることが出来るんだ。まぁ、時間制限付きだけど、大切な妹さんなんだろ? 明日のびっくりドッキリのお楽しみってことで!! 時間制限ギリギリまで頑張るぜ」
ドヤ顔で決めてみる。もちろんエミルは呆けているが、その顔もまた…可愛い。
「あぁ、あと、これ忠告。俺の世界とおんなじってわけでもないし、当てはまるかわかんねぇけど、空気の悪いところは行っちゃ駄目だからね」
『空気?』
「そそ。この辺りは空気わりと綺麗だけど、多分この世界にだって争いとかあると思う。実際、ここの人たちは人間嫌いみたいだし、俺は今回吊るされて憎悪の対象になったけど、それくらいだったらそんな空気に影響しないってことだろうな」
ここにだって負の感情はある。実際悠太はそれを身をもって体験したわけだが、やはりここは空気がいい。
(あ、でも魔王様が自己紹介する直前から空気が濁ったな…あれなんだ?? まいっか)
「でも、もっと互いが互いを憎んでるみたいなところとか、怒りや悲しみが溢れたところっていうのはどうしても空気が汚れるんだ」
『それはきっと瘴気ね。青黒い霧に覆われて、その空気中の微精霊が汚れてしまってるから大地も汚れてしまうの。逆に大地が汚れているから微精霊が汚れて瘴気になる場合もあるわ』
「うぁ、そんなヤバイ空間あるんだ…。だったらその瘴気には近づかないこと。エミルは今善霊だけど、そういうやばい空気に触れると魂だけの存在のエミルは直で汚されるから。気づいた時には悪霊になっちゃてるか、魂自体が消滅する可能性もあるから、何があっても絶対に近づいたりしちゃ駄目だよ」
『アクリョウって…? 悪い魂ってこと?』
「その解釈で概ねあってると思う。まぁ、この世界に俺の世界の概念が当てはまれば、の話だけど、備えあれば憂いなしってね!」
『……うん、わかった。本当に色々ありがとうユウタ。あ、でもね、アシリッド様は妖属だから瘴気がないと魔器の元気がないの。なのに幽体だから補充もできなくて…こういう時ってどうすればいいのかな? それ以前に幽体でも補充って必要なのかな?』
何か良いシーンだった気がするけど、うん、エミルクオリティ。
魔王様のマキに瘴気を補充? 幽体なのに?
「ごめん、理解不能」
だから正直に答える。
『そっか…そうだよね。あ、私そろそろシャルのところに戻るね。あの子…ほっとけないから』
「あ、うん。今日は話し相手になってくれてありがとな。憑いてくるでもこないでもいいからさ、明日また会おう、エミル」
『うん、また明日ね、ユウタ』
こうして、この世界に来て初めて悠太は会話らしい会話をした時間は去った。たとえこの世で有らざるものだろうと、そういう存在とは日常茶飯事で接していた悠太にとってそこは問題にすべきことではない。
自分を認めてくれる存在がいる。そのことが何よりも嬉しいのだ。魔王様には驚いたが…確かに悪い奴ではなさそうだった……と、思う。でも人間族に裏切られて殺されたという魔王様の境遇を考えると……。
マイナス思考が現れ、悠太はその考えをお振り払うように頭を振った。
「いつの間にか…日が暮れ始めてる……」
再び一人になった悠太はカーテンの隙間から漏れる光が大分小さくなっていることを確認した。
「明日か……」
特にすることもなくなった悠太は再びベッドに寝そべりその瞳を閉じていた。
とてもとても静かだ。
「…本当、霊相手なら普通に話してるよな…俺。どんだけコミュ症なんだよ……。あ、そう言えばレグルスさんは割と普通に話せた気がするな…って意思疎通出来てたか謎だけど。
今頃どうしてるかなぁ…レグルスさん」
ふと、先日出会った気さくな細マッチョさんを思い出した。
「西…変な心配とかしてなきゃいいけど……あ、おじさん…は、まいっか……」
そして急激な睡魔に襲われながらも日本の友人を思い出す。
気づけば眠っていた。沢山眠ったはずだが、短期間に本当に色々ありすぎて疲れていた。だから、次に目覚めたのはすっかり日も暮れ、里の者たちも寝静まる、そんな時間だった。
◇
「えっと…これは何の冗談??」
多分、ただ穏やかな時間だったのなら悠太は翌朝シャルノイラスに叩き起こされるまで爆睡をしていたのだろう。
だが、本能が何かを感じたのか、彼は目を開けた。そしてそこには数人の耳長が、布団の中の悠太に襲い掛からんとして視界を塞いでいる。本来ならとっさに危険を感じるべきなのだろうが、目の前の光景に頭がついていかない。だから、呆然としてそんな言葉を声に出していた。
危険。
やっと、本能が告げる。すると悠太は布団を勢いよく剥がして目の前の男にぶつけると滑るようにベッドから降りて出口を目指す。だが、扉の前にも2人も耳長がいてその行動を阻止。
「ったく、何だよ!! 明日解放してくれんじゃねぇのかよッ!!」
1人は蹴り倒した。これでも悪霊相手に日々奮闘している悠太は鍛えている。格闘技だっておじさんから伝授されている。寝起きだってそう簡単に捕まったりはしない。だが、油断は禁物。
今は兎に角逃げる。それだけを考えて流れるように耳長の攻撃を躱すと、その勢いを反動に拳を叩きつける。
「どけぇぇぇええぇッ!!」
だが、
「!!?」
相手にぶつかる直前に悠太は拳を止めた。いや、止めたのではない、止められた。
「なッ、コレ、動かな…ッ」
石像になどなったことはないが、きっと石像になったらこんな感じなんだろうと思われるほど意志を無視して自分の体は微動だにしない。
「…異世界チート過ぎ…ッ」
どうにか皮肉を口に出すと、
「…かァッ…!!?」
横っ腹に猛烈な痛みを感じてもんどりうって倒れた。どうやら蹴られたようだ。体の自由は戻ったが、苦痛でそれどころではない。それでも、どうにか呼吸を整えようと努力しているのに
「…く、ぁ…やッ…め…」
乱暴に髪を捕まれ無理やり起き上がらせ
「ハッ……ァ…」
鳩尾に強烈な一撃を食らい、意識が遠のいていくのを感じた。
完全に意識の無くなった悠太は、あらかじめ用意されていた麻袋に乱雑に詰められ封をされた。これでただの荷物と化した悠太。時間は誰もが寝静まる深夜だ。
計画は順調に遂行された。耳長は嗤う。
解放などするものか。人間族に復讐を……。
◇
朝。陽の光が森全体を照らす少し前。シャルノイラスは目的地へ向かっていた。
早い時間ではあるが、里の朝は早いから既に外にいるものは何人もすれ違う。
「損な役回りだな、シャル」
だから、苦笑で話しかけてくるそんなぽっちゃりのおじさん仲間もいた。
「仕方ないから助けるんだ。僕は人間族が嫌いだ、殺したいくらい嫌いだ。でも、女王様の決定は絶対だから付き添うんだ、それだけだ」
「よし、よし、頑張れよ!!」
応援になってない応援を受けて尚もシャルノイラスは進む。
準備万端。なんか今までの人間族と行動が違いすぎて戸惑いもあったが、もう問題ない。
やることをやる。それだけだ。
シャルノイラスは勢いよく扉を開けた。
『朝だぞ、ぐずぐずするな、ウスノロ!!!』
しかし反応はない。ベッドは綺麗に揃えられ、そこには人の気配が一切なかった。
「!!?ッ」
部屋は小さなものだ。今いるこの部屋ととなりに水場しかない。
念のため水場の扉を開けるが、やはりそこにも人影はなかった。
ここにはいない。それが事実であり真実。
「裏切ったなッ!!」
シャルノイラスは拳を固く握りしめ、家を後にする。
「サイシャ、人間族を見なかったか?」
先程応援してきた仲間がすぐ近くにいたので問いかけるが、彼も意味が分からないようだ。
「え、いないのか? ま、まさか逃げたのかッ!!!」
可能性を言葉にするとサイシャも加わり慌てて探し出した。
「勝手に里を離れてないよな、この辺にいるよな」
魔狩りの関係者だったのか? 恐怖が里を伝播する。
「僕は、ペジャ爺と女王様の元に行ってみる。みんなは引き続き捜索を頼むッ!!」
今回、この里に連れてきたあの人間族の処遇はシャルノイラスに任されている。
(大人しくするって言ったのに、僕に感謝の言葉まで送ったくせに!!)
シャルノイラスはペジャ爺…長老の元へ、そして女王様の元へ走った。そして女王様に森の結界内をくまなく探索してもらった。もちろん自分の足でも探した。
それでもあの人間族は見つからなかった……あの人間族は嘘をついた。
人間族なんて……死んじまえッ
シャルノイラスはもう二度と人間族を信じたりはしない。
捕まっちゃった…




