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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
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7話 ミオ 冒険者になる

 さようならアリス、またどこかで…


 冒険者ギルドに入ると正面に受付があり、食事スペースもあってそこに冒険者が何人かいるのが分かる。


「じゃあ私は受付に用があるから、ここまでありがとうね」

「はい、助けていただきありがとうございました」

「いや、いいんだよ」

「ではまたどこかで」

「うん、じゃあね」


 アリスは食事スペースに行き、お姉さんの元へ向かって行った。

 それを見届けると、受付に声をかける。


「こんにちは。どうなさいましたか?」

「こんにちは」


 声をかけてきた受付は、明らかに私の顔より上の方に視線を向けている。


「何か上にあるの?」

「いえ、すみません。それって本物ですか?」


 受付は私のケモ耳を指差す。


「そうだけど」

「触ってもいいですか?」


 この人は何を言っているんだろう。


「ダメだけど」

「ダメですよね」


 受付が少し悲しそうにする。

 受付の仕事をしてほしい。


「それで今日はどのようなご用件で?」

「個人カードを発行して欲しいんだけど、出来る?」

「出来ますよ。ただ冒険者ギルドで個人カードを発行した際、ギルドのルールに従ってもらいます。よろしいですか?」

「どういうのがあるの?」


 ルールがあるのか、面倒くさそうだな。


「ここで発行した場合、ユスティアの冒険者ギルド所属の冒険者になります。フリーの冒険者になる場合は個人カードを停止して貰います。ただ役所で個人カードを作った後にフリーになっても、役所の個人カードは使うことは可能ですし、討伐記録なども登録され続けますのでご安心ください。」

「所属するメリットって?」

「このギルドで解体した場合は解体費用が安くなるのと、実績などがあると援助を受けることが出来ます」

「なるほど」


 私は解体が出来ないから解体費用は安くて損はないかな。


「デメリットは?」

「ここで出されている依頼をこなされた場合、冒険者が得られる素材の2割は提供していただきます」


 2割がどれくらい重要か分からないな。


「他にルールってあるの?」

「ルールという物ではないですが、緊急性のある依頼が来た場合、可能であれば依頼を受けていただきたいと考えています。断ることは出来ますが、そうすると援助がなくなったりすることがあります。ただ遠方にいる、もしくは怪我をしているなど、やむを得ず依頼を受けられない場合は大丈夫ですのでご安心ください」


 どうせ暇だし緊急依頼は受けるだろうから問題はなさそう。


「じゃあ、個人カードの発行をお願い」

「はい、かしこまりました。それでは案内しますので、奥の部屋にお願いいたします」


 私は受付に案内されカウンター奥の部屋に入る。

 部屋には関門にもあった魔力を測る台座があり、本棚には多くの資料が敷き詰められている。

 

「それではその台座の魔法陣の中心に手を置いてもらってよろしいですか?」


 言われた通りに手を置くと、魔法陣は青く光り、その後に黄色く光りやがてその光は消える。


「ミオさんでよろしいですか?ユスティアに入った以外の記録はないようですが、それで合っていますか?」


 受付は青色の魔道具を弄りながら不思議そうに聞いてくる。


「合ってるよ」

「そうですね、獣人族のミオさんとしかデータがないんですが、やっぱり別の大陸にいたんですか?」

「そうだよ」


 あっさり嘘をつく。

 ここで真実を言ってもややこしくなるだけだしね。


「じゃあ、こちらでいくつか質問させていただきます。全て個人カードに記録されることなので嘘はないようにお願いします」


 そう言うと彼女は名前、種族、誕生日、年齢を聞いてくる。

 それらを答えると受付は青い魔道具を弄る。


「最後の質問ですが、ジョブは何にいたしますか?」

「ジョブって?」


 ジョブって魔法剣士とかそういうことかな。


「はい、冒険者はそれぞれのジョブを設定しており、剣が得意な場合は剣士、魔法が得意な場合は魔法使いなどと設定されています。これの設定を行った場合、剣士には剣士の方が遂行しやすい依頼などを勧めることが出来ます。また、剣士を募集してるパーティがあった場合、剣士の方とコンタクトを取って、必要であれば紹介するといった仲介役なども行ったりします。一応、必要であれば途中でジョブを変えることは出来ますよ」


 ゲームのジョブと同じだね。


「こちらがジョブ一覧になりますが、確認いたしますか?」


 受付は本棚から資料を取り出しながら私に聞いてくる。


「いや、いいよ。魔法剣士でお願い」


 受付は資料を戻しながら答える。


「魔法剣士でよろしいですか?」

「大丈夫だよ」

「かしこまりました。それでは登録いたします。ミオさんはGランクからスタートです。頑張ってください」


 そう言うと、受付は魔道具を弄った後に個人カードを取り出し、台座の魔法陣の中心に置く。

 そうすると魔法陣が黄色く光った。


「これで個人カードの発行は終了です。それでは案内しますのでロビーにお願いします」


 そうして私は個人カードを受け取り、案内について行きロビーに戻ると、そこにはアリスと腕にギブスを付けた私と同じくらいの年齢の女性が待っていた。


 あれ?アリスまた会ったね。


 ここでミオのプロフを軽く置いときますね。

・名前 ミオ

・種族 獣人族

・性別 女

・年齢 16歳

・誕生日 2月19日

・ジョブ 魔法剣士

・ランク G

・討伐記録 なし


 個人カードには魔力も登録されるので、偽造は難しいぞ!

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