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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第2章 王都観光
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76話 お花畑観光?


「どうしたの?」

「見て見て〜、カエル〜」


 レイが急に屈んで花を見るから何か気に入ったのかと思ったけど、カエルか。


「かわいいですね」

「ね〜」

「2人ともカエル平気なの?」

「はい、私は平気です」

「私も〜、ミオちゃんは苦手?」

「うん、あんまりかな」


 一定の距離を離さないとすこし怖い。


「ふ〜ん…」


 レイが考える素振りをする。


「やっぱりやめよ〜」

「何を?」

「ミオちゃんにいたずらしよっかな〜って思ったんだけどね〜」


 私が嫌がるからやめてくれたんだね。


「そっか、レイが優しくてよかったよ」

「いや〜、追いかけっこになるからアリスちゃんが置いてけぼりになるかな〜って」


 なるほどね。

 2人きりだったらやってきたんだね。


「ありがとうアリス」

「いえ、私は何もしてないですよ」


 うん、何もしてないけど助かったよ。


「やっ、あはははは!」

「他の花も見て回ろう」

「そうですね」


 アリスはまた歩き始めるけど、レイが全く立ち上がろうとしない。


「レイ、行くよ」

「あはははっ!お腹やめてっ!あはははは!」

「あぁそっか、ごめんね?」


 レイの横腹をくすぐっていた手を止める。


「はぁ、ひどいよ〜。いだすらしてないのに〜」

「余計なこと言うからだよ」

「わざわざ言う必要はなかったと思います」

「ちょっとした冗談じゃん。も〜」


 はいはい、ふてくされてないで行くよ。

 レイを立ち上がらせると、背中を押しながら観光を続ける。


「アリスは花の種類とか分かる?」

「あんまり分からないです」

「お花を育てたりしないの〜?」

「人によると思います」


 それはそうだね。

 外から見てだけど、家によって花瓶や花壇があったりなかったりする。


「アリスちゃんに園芸してほしいな〜」


 分かる。

 花に水を上げてるアリスの画は映えると思う。


「園芸って難しそうですよね。土の種類とか適切な気温とか、覚えることがいっぱいあるみたいですし」

「そうだ、この街って年中この暖かさなの?」

「そうですね。日によってちょっと涼しかったり暑かったりしますけど、過ごしやすいですよ」


 夏とか冬もないんだ。

 地軸が公転軸に垂直なのかな?

 でも体感では日が出てる時間は12時間以上あると思う。

 すこしは傾いてるんだろうけど…

 うん、難しいことを考えるのはやめよう。


「雪とか降らないの〜?」

「ここでは降らないです。山の上とか遠い街では降るみたいですよ」

「アリスはまだ雪を近くで見たことない?」

「ないです」

「そっか、いつか見に行こうね」

「楽しみです」


 水魔法で雪は作れそうだけど、自然の雪を見せてあげたいね。


「寒いところ行くならオーロラ見てみた〜い」

「オーロラかぁ」


 オーロラ、この世界にもあるのかな?


「オーロラって何ですか?」

「空に浮かぶ光のカーテンみたいなのなんだけど〜、知らない?」

「聞いたことないです」


 オーロラってないのかな?


「それじゃあオーロラ探しに行こうよ〜!」

「最初の冒険にしては壮大すぎるから却下だよ」

「え〜、なんで〜!いいじゃんオーロラ〜!」

「もっと遠出しなくてもいい目標にしようよ」

「じゃあミオちゃん何かいい案あるの?」

「ないけど、でももっと近場からにしよ?アリスにとってもいきなり遠出は疲れるだろうし」

「あ〜、そっか〜」

「あっ、いえ、私は大丈夫ですよ?」


 本当に?

 10歳の女の子が北極や南極あたりまで行くのはどう考えても厳しいものがあると思うけど。

 というかレイも12歳だし、私は16歳だよ。

 普通に考えて無理だから。


「多分、アリスが考えてるよりも長い冒険になるよ。何週間とか、もしかしたら何ヶ月とか」

「そ、そんなにですか?」

「多分だけどね」

「そんなにかかるかな〜?」

「どうやっていくつもりなの?」

「なんか、魔法ですい〜っと」


 すい〜っとね。


「そんな便利な魔法があるの?」

「あるんですか?」

「え〜、あるんじゃない?空を飛ぶとか〜」


 空を飛ぶ魔法。

 そっか、飛行魔法がある。

 飛行行為が禁止されてる試合が多くてあまり使ったことなかったから忘れてたけど、飛行魔法は覚えたい。


「空を飛べるんですか?」

「飛行魔法とかで飛べるよ〜」

「魔法で飛ぶんですか?」

「出来るかな〜」


 そういうとレイがリラックスするように目を閉じて深呼吸をする。

 しばらくしてレイの足が地面から離れていく。

 ちょっと待って、それすごく目立つ!

 あとスカートだから!

 私は30cmほど浮いたレイの手を掴む。

 レイはそれに気を取られたのか目を開き、そのまま地面に降りる。


「ちょっと〜、安定するまで時間がかかるんだから邪魔しないで〜」

「いや、ここでするのはなし。目立つから」

「す、すごいです。本当に浮いてました」


 アリスが目を丸くしている。


「空を飛べれば移動も楽だよ〜」

「でも空を飛ぶってイメージが難しくて頭が疲れるから、長距離移動は慣れるまで無理だよ」

「あ〜、確かに〜」

「私も飛べますか?」

「練習すれば出来ると思うよ」


 アリスがそれを聞くと目を輝かせた。



 空、飛びたいですね。

 目立ちますけど。

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