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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第5章 アンクイン
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519話 第7回 ミオ先生による魔法授業


「それじゃあ、先に強化魔法の練習しよっか。レイ行っちゃったし」

「分かりました、よろしくお願いします!」


 という訳で。


「第何回?ミオの魔法授業ー」

「わー!」

「あ、わ、私も聞いても…」

「もちろんいいよ、ちゃんと覚えていってね」

「はっ、はい」


 そうは言っても、魔術じゃなくて魔法だからね。

 イメージ力は本人依存、錬金魔法が使えるマリンにも使えそうだけど、果たして。


「まず強化魔法について。魔術の領域を出ちゃうと指南書に載らなかくなっちゃうから、強化魔法についてざっくり話すね」

「よろしくお願いしますっ!」

「こ、これが、無料で……」


 やっぱりこの世界の価値観は日本と違うね。

 技術や知識という無形の価値に対してリスペクトを払う考え方。

 過程ではなく結果を重要視するため、過程に存在する技術や知識が蔑ろにされるのは理解出来ちゃうから、マリンの反応は新鮮に感じられる。


「まず『強化魔法って何が目的で使うの?』っていう所から」


 私はいつかに買っておいた脚付きの黒板をアイテムボックスから取り出す。

 偽神言語様々、全く知らない言語なのに言葉を書いていくことが出来る。


 チョークと黒板が鳴らすコツコツという音と鳥のさえずりが重なる。

 穏やかな風が肌を撫で、森の空気を感じることが出来る。

 勉強をするよりも昼寝をした方が効率良さそうなのに、2人の目はしっかりと黒板と私に向いている。


「強化魔法は言葉の通り、何かを強化をする為に使うよ。それが『人』か『物体』か、はたまた『魔法』かは使い手によるよ」

「えっ、ぶ、物体というのも、気になるのですが……」

「そうです!魔法にも使えるんですか?」

「『魔法はイメージの世界、何でも出来るよ』は、元も子もないからこの説明はなしとして。まずは人に作用させたい時、その使い道は何ってことね」


 チョークを走らせ、簡易的な骨と筋肉、太陽、振り下ろされる剣を描く。


「まずは『身体強化』から。これは筋肉とか、体の部位を補助をして普段は出ない力を出したりするのが目的だね。これは本当に私とレイがよく使うね」

「お2人が走ってる時ってすごく速いですよね?ああいう時って使ってるんですか?」

「100%使ってるよ。他にも、私だとサイドステップとかバックステップで無理に方向転換する時に体が壊れないようにの補助、レイだと剣を振る時とか特に重い物に無理やりスピードをつける時に使ってるね」


 強化魔法はとにかく便利、基礎の底上げをしてくれる大事な魔法。

 魔法職じゃない人もこぞって覚えようとするんだよね。

 物理職は大人しく加護とスキルでカバーしてねって感じだよ、魔法使えない人に教えるの大変なんだから。


「はいはい、質問です!」

「いいよ、何聞きたい?」

「ミオお姉ちゃんって1回イメージしたら強くなりっぱなしですか?」

「基本的にはそうだね。1回1回解除してってやると頭疲れちゃうし、集中力も切れちゃうから」


 私はそこまで要領よくないからね。

 それが出来たら魔力消費量を抑えられて、エコなんだろうけど。


「じゃあ、ずーっと強くなれーって考えてるんですか?」

「……いや?1回強くして放っておいたらずっと強くなったままだよ」


 一瞬、答えるのにラグが発生した、アリスが言ってることが理解出来なかったから。

 でもアリスが変なことを言った訳じゃない。


「それっておかしくないですか?魔法って、イメージして使われません?」

「言われてみたら、そうだね。どうして強化されっぱなし何だろうね?」


 1回強化魔法を使ったら、その強化魔法の大抵は意識外に行っちゃってる。

 それなのに、イメージをしてないのに魔法が行使され続けるの、ちょっと変だよね?

 でもこれには答えがあるんだよね。


「魔力を自動で強化魔法に変換するって所までパッとイメージして、それを無意識でやってるから?」


 1番最初って何事も一緒で、例えばスマホ買い始めの頃ってフリック操作大変だけど、気付いた時には簡単に使いこなしてるじゃん?

 そうなった頃には、脳が無意識に「どこにどの子音があって」「どの方向がどの母音で」「次の文字や更にその次、もっと次の文字が打てるようにフリックする」っていうのをやってくれてるんだよね。

 大事なのは、脳の無意識で処理してくれる部分に押し付けること。


「そんなことが出来るんですか?」

「出来るよ出来る、慣れれば簡単だよ。アリスだって飛行魔法でそれって出来てるでしょ?」

「言われてみればできてます!」

「それじゃあ、飛行魔法で出来て強化魔法で出来ないって思った違いはどこだと思う?」


 これに気付けば、慣れる以前の近道が出来る。


 最初っからフリック覚えてる状態。

 それ以上、脳で浮かんだ文字が勝手に文章に起こされてるみたいな。

 無意識下での魔法の行使が疑問に思わないぐらい、当たり前の物になる。


「どこー、どこですかぁ」


 アリスが頭を悩ませる。

 マリンも横で考えた後、明らかに思いついたような顔をした後、アリスのことをニマニマ見つめる。

 マリン、不意にかわいいのが困っちゃうね。


「飛行魔法だと箒に魔法をかけて、それで空が飛べるようになってますよね?」

「そうかなぁ?」

「ふふっ、ど、どうでしょうね」


 マリンに話を振れば、ちょっと嬉しそうに笑ってみせる。


「なっ、なんですか!マリンお姉ちゃんみたいに魔法が使えるわけじゃないんですっ!」


 アリスが笑われたのかと思って顔を赤らめる。

 えぇ、心臓がキュってなるって。


「ち、違います、そ、そういうつもりではなくて、ですね。す、すみません……」


 マリンの心にも響いたのか、ずっとニマニマしている。


「なんですかもう!マリンお姉ちゃんもミオお姉ちゃんみたいに!絶対答えるまで次に進みませんから!」


 あーあ、アリスが拗ねちゃった。

 心穏やかに癒されながら、そんなアリスを眺め続ける。

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