40話 何故か家の掃除をする
「この家って安かったんですよね?」
「そうだね」
「お化け出なかったですね」
「そんな物だよ」
幽霊って未だに見たことないし、本当にいるのか怪しい。
「ミオお姉ちゃん。本当にこの家って安かったんですか?」
「え、そうだと思うけど」
「いくらぐらいでしたか?」
「金貨40枚だったよ」
「金貨40枚!?ものすごく高いじゃないですか!」
え、そうなの?
「でもフェンリル5体ぐらいの値段だよ」
「フェンリル5体は高いですよ!」
フェンリル5体って高いんだ。
金銭感覚が更新された。
「ミオお姉ちゃんにとって金貨40枚って安い物なんですね」
「そんなつもりではないけど、良かったら金貨あげようか?」
「いらないです!」
アリスが必死に答える。
フェンリル5体だと安い気がするけど、この家が40枚で買えるってことは金貨1枚で100万ぐらいするのかな?
そう考えると高い。
「ミオお姉ちゃんはお金持ちなんですね」
「そうなのかも」
そういえばこのお金は何であるんだろう。
偽神が用意した物なのかな?
お金はあって困らないからいいけど。
「防具って買ったりしないんですか?」
「買った方がいいかな?」
「買った方がいいと思います」
レスターとリアは防具らしい防具を着てたけど、レイナさんとカインは着てなかった。
そう考えると前衛職は防具を着けた方がいいかな。
「今まで防具を着けずに魔物と戦っていたんですか?」
アバター装備は軽装だけど、実際は最強装備で固めてた。
「いや、防具を着けて戦ってたよ」
「その防具は今持っていないんですか?」
私はアイテムボックスから防具を取り出すイメージをするが出てこない。
「持ってないね」
「防具どうしたんですか?」
「う〜ん… 捨てた?」
「捨てた…」
売ったわけでもないけど。ここにないから捨てたが状況として1番合ってる。
「何か、ミオお姉ちゃんって、よく分からないですね」
「よく分からないか…」
私もよく分からない。
「そろそろいいかな」
「窓閉めますか?」
「うん、そうしよう」
私が立ち上がるとアリスも付いてくる。
家の中にはまだ埃が舞っているし、まだ埃が積もってるところがある。
「まだダメでしたね」
「このままだと埒が明かないね」
そう言って私は魔力を手に集中する。
私が魔力を放つと風が家の中を駆け抜ける。
「すごい風ですね」
アリスがスカートを抑える。
風によって床の埃がどんどん風の奥の方へと流れていく。
「これが終わったら水魔法で床を綺麗にして、出来るだけ水は消してもう1回風魔法で乾かすかな」
「すごく簡単に言いますね」
イメージ自体は簡単だからね。
「多分、リアもこのくらいなら出来るだろうし、アリスも出来るようになるよ」
「そうだといいです」
そういえばリアは魔力を感じることが出来たから、アリスも魔力を感じれる可能性は高い。
光魔法をしっかり使えるようになったら魔力を教えるのがいいかな?
私は風魔法を止めると、水を操って掃除をしていく。
「水魔法も上手ですね」
「リアもこのくらい出来るでしょ」
「出来ますけど、どの冒険者よりも水魔法が上手なお姉ちゃんも簡単ではないって言ってました」
やっぱりリアもこのくらいなら出来るよね。
「すごく綺麗になりました」
そういってアリスがソファに座る。
「ミオお姉ちゃん!このソファ、ふかふかですよ!」
アリスがニコニコしながら何度もソファに座り直して遊んでいる。
かわいい。
私も座ってみる。
確かに柔らかい。
横になったら気持ちよく眠れそうだ。
「ここの家具きっと高いですよね」
「高そうではあるね」
家具によく分からない装飾が付いていたりする。
装飾があるよりもシンプルな方が好きなんだけどね。
「住む?」
「住みたいですね」
「結婚する?」
「結婚はしないですけど」
結婚はしないか。
アリスが知らない男のところに行くのを想像すると悲しい気持ちになってくる。
私が掃除を再開するとアリスが付いてくる。
あれ?
というか今、掃除してる?
ローラさんが掃除サービスするって言ってたのに無駄なことしてるじゃん。
まあいっか。
掃除を始めたからには最後までやろう。
私は2階に上がる。
「住むなら2階が個人部屋だね」
「1人1部屋何ですか?広くて持て余しそうですね」
もう完全に住む気だね。
「寂しいの?一緒の部屋にする?」
「1人で大丈夫です」
冷たいなぁ。
「お父さんとお母さんは許してくれるの?」
「許してくれると思いますよ。私とお姉ちゃんが何かしようとする時にいつもやりたい事ならいいよって言ってくれますから」
子供の意見を1番に尊重してるというか、放任主義というか。
心配にならないのかな。
「リアが冒険者やるって時も止めなかったの?」
「止めませんでしたね」
「死ぬかもしれないのに?」
「リアがやりたいならって言ってました」
私に子供がいたら死地には行って欲しくないな。
「お父さんとお母さんは何の仕事してるの?」
「お母さんは仕事してないですけど、お父さんは冒険者ギルドの傭兵として働いています」
傭兵なんてあるんだ。
傭兵なら戦うと思うけど、それでも送り出したんだ。
「もしここに住む許可が貰えたら言ってね」
「はい、分かりました」
私は家を水魔法で綺麗にし終わると、玄関に戻って家の中を暖かい風を出して乾かしていく。




