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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
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2話 初めての異世界転移

 

 私はさっきまでゲーム内ロビーにいたはず。

 そこでフレンドのレイと話してて、イベントで1位になった記念報酬を貰おうとしたら、急に目の前が眩しくなり、気づいた時には森にいた。

 さっきまで近くにいたレイもいない。


「ここはどこだろう?バグで飛ばされちゃったとかなのかな。運営に報告しといた方がいいのかな」


 そう言うと、私はあることに気づいた。

 UIがなくなってる。


 ここまで酷いバグは初めてだ。

 お知らせも見れないしプレゼントボックスも見れない。

 フレンドも開けないから連絡も取れないじゃん。


 ひとまずパソコンを使ってゲームを立ち上げ直そうと思い、VRゴーグルに手をかけようとしたら、私は何にも触れることが出来なかった。


 あれ?

 どういうこと?


 頭を触ってもVRゴーグルを触ってる感覚がない。

 そして私はさらに自分の手の感覚を疑った。


 頭に何か柔らかい物がある。

 さらに、何故かその柔らかい物に神経が通ってるように感じる。

 触ってると癖になる気持ちよさだ。

 その何かはまるで、自分の体の一部のよう…

 それを触り続けて気付く。


「これ…ケモ耳?」


 いや間違いなくケモ耳だ。

 なんだこれ、何がどうなってるんだ?

 混乱する頭を落ち着かせ、現状を把握しようとする。


 バグで私は何処かに飛ばされて、さらにはUIも表示されない。

 付けてるはずのVRゴーグルは存在せず、替わりに頭にケモ耳が付いている。


 なるほど、理解できない。

 いや、これは夢では?

 実は帰りの電車で寝てて、駅から家までダッシュしてたところから全部夢?


 えぇ、じゃあまだ1位か分からないのか、ぬか喜びしたね。

 まぁいいや、夢なら醒めればいいだけだ。

 どうすればいいのか分からないけど。

 ひとまずほっぺを抓ってみる。


 痛い。


 私の柔らかほっぺにダメージを与えただけになってしまった。

 どうすれば醒めるんだろう。

 私は目を瞑って夢から醒めろと念じてみる。


 醒めろ…


 醒めろ…


 醒めろ…


 …


 うん、醒める気配がない。

 どうしたものか。

 でもこれって明晰夢?

 やりたい放題じゃん。


 私はゲームのように手から風の魔法を出してみる。

 私の手から放たれた翡翠色の疾風は目の前の木の幹にあたり、木の幹の半分の深さになる切断跡が出来た。


 切れはしなかったけど魔法が出る!

 楽しい!

 ゲームでやってることを現実でやってるみたい!


 実際は夢だけどね。


 でもそうだね、森林破壊は趣味じゃないからね。

 どこかそこら辺に魔物でもいないかな。


 歩くこと10分、特に何かと会敵することもなく、私はただ森を歩いていた。


 これって明晰夢だよね?

 知ってる限りでは明晰夢って思い通りになるんだよね?

 何度かスライム現れろと思ったけど、現れる気配が全くない。


 なんて平和な森なんだ。

 魔法がある世界の森はもう少し危険でもいいんじゃないかな。


 私は明晰夢だと確認するため、ゲーム内スキルのアイテムボックスを使い、何か武器を取り出せるかやってみた。


「スキル アイテムボックス」


 そう言うとどこからともなく歯車がついた折り畳みナイフが出てきた。

 アイテムボックスが使えることは確認出来た。


 思い通りになったりならなかったり、変な明晰夢だね。

 それにしても見たことないナイフだ。

 今回のイベントボスの素材で作れる機械武器に少し似てるけど、カッコよさが段違いだ。


 これ記念武器かな?

 鑑定で何か分かるかな。

 夢だけど多分、鑑定も使えるよね。


「スキル 鑑定」


 鑑定結果

「偽神のナイフ」

 武器種 ナイフ

 デウス・エクス・マキナのソロ討伐でのタイムアタック上位3名にのみに送られる武器の1つ。

 スキル なし

 加護 偽神の加護

 (効果:筋力と魔力量が上昇する)


 鑑定は使えたけど、なんかぱっとしない内容。

 記念武器ではありそうだけど、スキルもないし、あんまり強くない…

 まぁないよりはいいかな。


 他にアイテムボックスから出てくるかな。


「スキル アイテムボックス」


 特に何かを思い浮かべることなく唱えてみると、どこからともなくお金が溢れて出てきた。


「うわ!どうしよ」


 見たことない通貨だ。

 地面に大量の通貨が転がる。

 これこのままにして大丈夫かな。


 大丈夫じゃないよね。

 私は地面のお金がアイテムボックスの中に入るように思い浮かべた。


「スキル アイテムボックス」


 そう言うとお金が地面が吸い込まれてくように消えていった。

 いや地面の中に埋まった様子はないけど、空中に消えた?

 恐らくアイテムボックスの中に入ったんだろうけど、不思議な感じだ。


 それにしても、本当に魔物が現れない。

 ゲームの夢のなのに魔物は出ないとは何事だ!


「うーん」


 ひとまずは森を出たいな。

 草原に出れば魔物が見つけやすいかもしれないし、もしかしたら村とかあるかも。

 そう考えてると突然、退屈な気分を吹き飛ばす、大きな悲鳴が聞こえた。


「助けてー!」


 危険あるところに魔物あり。

 獲物を見つけたミオちゃんの行く末やいかに。

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