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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
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36話 ミオ 家を買う


 レイナさんに魔法を教える回と前回に出ていたゴーレムは人型ゴーレムをイメージしていたのですが、それならかわいいにステータスを振った方がいいと思ったのでゴーレムにゃんこに変更しました。

 よろしくお願いします。


 私の順番が来ると受付の前の席に座るように言われる。

 ゴーレムにゃんこを受付の机に乗せて席を座る。


「こんにちは、この度はどのようなご用件ですか?」


 一瞬、視線が上に行ったけどすぐに顔を見て、受付はニコニコしながら店員が接客を始める。

 店員は20歳ぐらいのお姉さんだ。


「家を買いたいんだけど」

「家ですか?」

「家だよ」

「あの、親御さんはどこに?」

「親はいないけど」


 家を買うのに親の許可がいるのかな?


「あの、獣人族の人が住んでる大陸とは物価が違うのかもしれませんが、この大陸では家って高いんですよ?」

「どのくらい?」

「そうですね、普通の一軒家なら金貨が数十枚必要です」


 金貨が数十枚。

 森の中でお金を出した時に、金貨も数えきれないほどあった。

 私はアイテムボックスから金貨を机の上に大量に出す。

 30枚ぐらいを出したところで受付に止められる。


「も、もう大丈夫です。失礼な態度を取ってしまい申し訳ありませんでした」


 店員が深々と謝る。


「謝る事ないよ。誰だって私みたいな子供が家を買うお金を持ってるとは思わないから」

「そう言って頂けると幸いです」


 ゴーレムにゃんこが金貨を触って遊び始める。


「それってゴーレムですよね?」

「そうだよ」

「かわいらしいですね」

「ありがとう」

「今お客様が動かしてるんですか?」

「いや、勝手に動いてるよ」

「魔法がお上手なんですね」

「そうなのかな。よく分からないけど」

「ゴーレム魔術は魔力が多くないと使えないって話ですよ」

「そうなんだ」


 そう考えるとレイナさんって大きい腕も複数の腕も使ってたから、魔力量はかなり多いのかな?


「すみません、話が逸れました。それでどのような家をご要望でしょうか」

「うーん、一軒家で、そこそこ広めで、冒険者ギルドに近くて、地下室が欲しいかな。あと家具付きだと嬉しいな」

「分かりました、少々お待ち下さい」


 そう言うと受付が席を離れる。

 私はゴーレムにゃんこを突きながら遊んでいたら受付が資料を持ってやってくる。


「ひとまず、お客様の条件に沿った家ではないのですが、この家は家具がない事を除けば条件に合ってると思います」


 提示された家はギルドに近く、家も広そうだ。

 なんならアリスの家ともそこまで離れていない。

 ただ少し気になるのが、この家の敷地が普通の家の3倍くらいある。


「すごく広くない?」

「そうですね、元々、貴族の方が別荘として作った家なんです」


 別荘として作ったはいいものの、あまり使わずに売り払ったってところかな?


「流石にここまで広くなくていいよ」

「それでは、そうですね。この家なんかどうですか?」


 次の家はギルドから少し離れるが、家もそこそこ広そう。

 さっきの家よりはアリスの家と近い。


「ギルドから離れてしまうのですが、この家は広く家具付きになります」


 ここでいいかな?


「とりあえず、他だとどんなのがある?」

「他ですと一般的な大きさの一軒家だけになりますね。あまりこの付近に大きい家ってないんですよ」

「そうなんだ。じゃあ2個目の家でお願い」

「見学はしなくてよろしいですか?」


 流石に趣味が悪い家ではないだろうし大丈夫でしょ。


「大丈夫だよ」

「かしこまりました。それでは金貨40枚になります」


 フェンリル5体ぐらいかな?

 そう考えると結構安い。

 私はアイテムボックスから金貨を40枚出す。


「これで大丈夫?」


 受付が枚数を確認する。


「はい、大丈夫です。ありがとうございます。それでは契約を行いますので、個人カードの方をお願いいたします」


 私は個人カードを渡す。

 受付は個人カードを記録台の上に置くと、青い魔道具を使って情報の確認を始める。

 前々から思ってたけどあの青い魔道具って何だろう。

 タブレットみたいな形だし、なんならタブレットみたいに指で操作してるけど。


「お名前はミオさんですね。獣人族で16歳でFランクの冒険者ですね。討伐記録は…」


 そう言うと受付の動きが止まる。


「…フェンリルを倒したんですか?」


 そういえば私もフェンリルを討伐したことになってるんだよね。


「うん、まぁ、若干?」

「討伐パーティの5人のうち4人がCランクパーティだとは聞いていたんですけど、もう1人はミオさんだったんですね」

「ほとんどはCランクパーティが倒したよ」

「でもこうして個人カードに書かれているって事は功績が認められているってことですよ」

「そうなのかな」


 別にそういうの確認する素振りもなく私も一緒に倒したことになったけど。

 受付が青い魔道具を弄り終えると私に向き直す。


「それでは契約を完了しました。証明書を発行いたしますので少々お待ち下さい」


 そう言うと受付は個人カードを渡し、金貨を受付のカウンターの中に入れるとどこからか紙を出す。

 何個か項目を書くとサインを要求される。

 私は一瞬、日本語でミオと書きそうになる。

 多分無理だよね。

 私は今使われている言葉でミオと書く。

 サインをし終わると受付がハンコを押す。


「それではこちらが証明書になります。ご入居はいつになりますか?よろしければお掃除のサービスを行いますが」


 私は証明書を受け取りアイテムボックスに入れる。

 入居日だけど、宿をお願いしたのは今日含めてあと4日だよね。

 そうなると4日後には泊まる場所がなくなる。


「4日後に住むから、それまでに掃除してもらってもいい?」

「かしこまりました。あの、少しよろしいですか?」

「どうしたの?」

「いえ、大したことではありません。私の名前を覚えて貰おうと思いまして。私の名前はローラって言います。もし、商業者ギルドにご用がありました私を受付に指名して頂けたらと思います」


 ご贔屓にってことかな?


「いいけど、忙しそうだったら?」

「ちょっとだけ待って頂ければ、担当を変更してもらうので」


 それはいいのかな?


「分かったよ、ローラ。覚えておくね」

「ありがとうございます、ミオさん。またお越しください」


 私はゴーレムにゃんこを担ぐと席を立って商業者ギルドを出る。

 次の目的地である広場へ向かい、アリスを探す。



 ローラは思った。

 この獣人族の女の子、空間魔法使ってる。

 強い冒険者だ…

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