表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
32/545

29話 急がないと間に合わない


 アリスの件はひとまず置いといて、レイナさんに魔法を教えるには時間がない。


「明日この街を出るにしても、いつ出るの?」

「今日の朝よりはもう少し遅いが、早朝に出るぞ」


 つまりは教えられる時間は今から夜までかな?


「じゃあもう時間ないからさ、今からレイナさんを借りてもいい?」

「あぁ、ミオの素材は冷凍室に置いておくよう頼んでおく」

「ありがとう、じゃあレイナさん行くよ」

「行きましょう」

「ミオさん、その前にいいですか?」


 カインが口を開く。


「カインも何かあるの?」

「お耳の方を」

「そうだ、私もいいか」


 あぁ、そういえば2人に約束してたね。


「はい、どうぞ」


 私を頭を2人の方に出すと、2人は私の耳に触れ、少し撫でると手を離した。

 私は少し気を利かせた。


「レスターは?」

「…すまないな」


 そう言うとレスターも少し触る。


「うん、じゃあもう行くね」

「レイナを頼んだぞ」

「分かった」


 そう言うと私はレイナさんとギルドを出る。

 私は最初にきた関門、地図では南門と書かれていた場所へ向かう。


「すごい見られるね」

「そうだね」


 本当によく見られる。


「ミオちゃんかわいいから」

「ケモ耳だからだよ」

「そのお耳もかわいいよ」

「ありがとう。レイナさんって優しいね」

「そう?私って意地悪だと思うけど」


 もしそうだったら魔法なんて教えない。


「そんなことないよ」

「ミオちゃんは優しいね。魔法も教えてくれるって言ってくれるし。そういえば、お礼はどうすればいい?」


 お礼、完全に忘れてた。


「ケモ耳を触るでいい?」

「それでいいならいくらでも触ってあげるよ」




 そんな事を話しながら南門を抜け、私達は草原へ出る。

 穏やかな風が吹き抜ける。

 街のなかって壁で囲まれてるからあんまり風が吹かないんだよね。


「こんな広いところでやるの?」

「狭くてもいいんだけど、この魔法って人に迷惑かかるから」

「そうなの?」

「大したことではないんだけどね」


 大きい音が出るから。

 それにしてもどうやって教えればいいんだろう。


「それじゃあひとまず見せてみるね」

「うん、よろしくね」


 私は手に魔力を集中させてイメージする。


 それは木の板の壁。

 ただの大きな木の板がそこにあるイメージ。

 人によっては思いっきり殴ったりすれば穴が開くかもしれない、その程度の壁。


 私は魔力を放つと、目の前の空間が少し歪んだかと思えば、何事をなかったかのように元に戻る。


「一瞬、変な感じになったけど、出来たの?」

「出来たよ。この辺触ってみて」


 私は壁を叩きながらレイナさんに言うと、レイナさんが壁に触る。


「すごい…どうなってるのこれ」

「これは魔力で壁を作ってるんだ」

「魔力で壁を…」


 レイナさんが壁を触りながら悩んでる。


「ちょっと離れて」

「えぇ」

「それで、こんな感じで」


 私は強い突風を起こす。

 突風が壁に衝突すると、壁が割れて壊れる。


「衝撃が加わるとヒビが入ったり壊れたりするけど、その代わり持続性や連続性のない攻撃は全て相殺するから便利なんだ」

「そうなの」

「この魔法を使うイメージは魔力で木の壁を作るとか石の壁を作るってイメージしながらの方が作りやすいよ」

「分かったわ」


 レイナさんはアイテムボックスから杖を取り出す。

 目を閉じて、集中してるみたい。

 私は体育座りでもしながらレイナさんを眺める。


「壁よ!」


 レイナさんがそう言い、杖を振る。

 ただ空間が歪んだ様子はない。


「こうじゃないのね…」


 レイナさんがそう言うと、また目を閉じる。

 風が私達を優しく撫で、風に靡く草が心地良い音を鳴らす。

 ものすごく寝たい。


「壁よ!」


 レイナさんの声にちょっと驚き目が覚める。


「どうだった?」

「ダメね」


 出来なかったみたい。

 日差しが優しく私達を包み込む。

 昼寝するには最高のコンディションだ。


「壁よ!」


 私は瞑っていた目を片目開けて確認するが出来た様子はない。

 日本でこんな広い草原はない。

 横には森、反対には山がそびえ立っている。

 大自然が私を抱擁する。


「朝早かったから眠いよね。寝ても大丈夫よ」


 レイナさんがそう言うのでお言葉に甘える。




 気づくと私は廃棄場にいた。

 え、大自然の中で気持ちよく寝てたのに。

 昼寝でも寝たらここに来るのか。

 私は偽神を見つけたのでそっちに行く。


「こんにちは」

「昼寝にしては早いな。まだ昼にもなっていないだろう」

「そうだね。お昼ぐらいになったら起こしてくれる?」

「いいだろう。もうここを出るか?」

「別に用はないからそれでもいいよ」

「分かった」


 偽神がそう言うと視界が暗転する。

 意識が暗闇に吸い込まれていった。




 目が覚めると草の上、気持ち良い風が私を撫でる。

 空を見ると太陽が上から照りつけていた。

 微睡ながら体を起こすとレイナさんを見つける。

 ただ、そこら中に土の壁が出来ている。


「ミオちゃん起きた?起きてすぐで悪いんだけどちょっと教えてくれない?」


 これは迷走してる感じかな?


「どうして土の壁を作ってるの?」

「イメージがしやすいから土の壁を作るってイメージをしてたんだけど、本当に土の壁を作るイメージに引っ張られちゃって抜け出せなくなっちゃったの」


 ぐぅ〜


 私のお腹がなる。

 一気に体温が上がる。

 恥ずかしい。


「そうね、もうお昼だし先にご飯にしましょう。これあげる」


 レイナさんがアイテムボックスからパンを出す。

 私はそれを貰い、恥ずかしさを誤魔化すためにパンにかぶりついた。




 レイナさんは悪いと思ってミオを起こさなかったけど、時間もないし起こしてよかったんだよ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ