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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第2章 王都観光
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197話 第3科目後の休み時間


「どうですか?合ってますか?」

「多分いいんじゃない?」


 剣の振り方はレイにも確認してもらいたいけど、レイはアルルと何回目かの試合をしている。


 あ、ちょうど終わったね。

 レイが楽しそうにアルルに話しかけている。

 対してアルルが疲れて膝に手を置いて呼吸を整えながら話を聞いている。


「レイお姉ちゃんはどうやって強くなったんですかね?」

「レイ?レイが強くなったのはたくさん試合をしてきたからかな?」


 レイってタイムアタックより対人戦闘勢だし。


「実戦で強くなったんですね」

「でもアリスはまだ実戦には早いから、ひとまずは打ち合いとか弱い魔物を相手にして練習をしないとね」


 レイから剣を借りていれば加護が付いているからまだしも、それがなかったら小さな10歳の女の子だからね。

 年齢的な問題もあるし、ひとまずは焦らずにゆっくりと強くなっていこうね。


「頑張らないとですね」

「そうだね」


 話をしているとチャイムが鳴る。


「今日の所はおしまいだね」

「そうですね、剣を返しにいきますか」

「そうだね」


 私とアリスは木の剣を返す。

 レイとアルルも返しにやってくる。


「あのカウンターってどうやるの〜?」

「あれは魔法で攻撃してきた相手を一瞬だけ拘束するんです」

「何それ〜、ずる〜い」

「レイピアの防御の弱点を克服するために考えた魔法です、いかがでしたか?」

「急に体が固まってびっくりしたよ〜」


 カウンター系の魔法ね…

 便利だね。


「どっちが勝ったの?」

「私が3勝かな〜?」

「それで私が2勝ですので、レイ様の勝利です」


 5試合もしてたんだ、試合大好きじゃん。


「次はどの授業を見たいかしら?」


 メディア様と疲れ切ったマリンもやってくる。

 頑張ったねマリン、お疲れ様。


「どんな授業があるの〜?」

「この時期の外授業は剣術と馬術の授業だけだから、後は室内の語学や算術の授業とか、歴史や科学、あとは政治学とかかしら?」


 メディア様の言葉に、明らかにレイが嫌な顔をする。


「別に私達が勉強するわけじゃないし、適当に決めてよレイ」

「え〜、う〜ん… アリスちゃんは何か見たいのある〜?」

「そうですね、算術の授業を見てみたいです」


 レイに言われてアリスが決めてくれる。


「いいと思うわ」


 メディア様がそう言うと手帳を取り出して何かを確認する。


「あら、ちょうどミケルのクラスね」


 メディア様が嬉しそうに言う。

 全クラスの時間割でもメモしてるのかな?


「それじゃあ行くわよ」


 メディア様が前を歩いていくから私達も後をついていく。


「ちなみにマリン、大丈夫?」

「は、はいぃ、だ、大丈夫、です…」


 メディア様との話し相手になっていたマリンの体力はもう0みたい。


「休む?保健室行く?」

「も、もうすぐで、お昼ですし、頑張ります」


 マリンは健気だね。


 校舎に戻って教室の中に入る。

 教室に入ると子供達が集まってくる。


「冒険者の人だ!」

「クラスの中でもミケルに勝てた人なんていなかったのに、すごいですね」

「まあ、そこは冒険者だからね」


 ミケルは冒険者だから勝てるって相手ではないけど、年上だしこっちは戦闘を生業にしてなくもないからね。

 そして何よりゲーマーとして負けず嫌いだからね。


「先程はありがとうございました」


 ミケルも話しかけてくる。


「うん、ありがとうね。こっちもいい経験になったし」


 時間魔法の相手と闘いなんて初めてだよ。

 ゲームで時止めなんて出来る人いなかったからね。


 魔力を使える世界なので時止めをしてくださいって言われても、「止まれ!」って思って止められるような物じゃないから、アニメや漫画の世界の人しか出来ない技だよ。


「僕の剣を止めた魔法、あれは何魔法なのでしょうか?」

「ごめんね、冒険者はそういうの秘密にしないといけないから」


 飛行魔法みたいな見て分かるような魔法からまだしも、パッと見で分かりづらくて強い障壁魔法は隠した方がいいよね。

 自分の価値を下げるって言われたからね。


「初めて見る魔法だったので対策を知りたかったのですが、それなら仕方ありませんね」


 そんな自分から弱点を晒すようなことはしないけど、その上昇志向は褒めるべきだね。


「もし次戦うことがあったら、その時は攻撃魔法ありの方がいいと思うよ」


 障壁魔法は連続性のない攻撃に強いからね。

 剣では相性不利だよ。


「分かりました。次があれば、その時はお願いします」

「うん、次があったらね」


 出来れば女王様のご子息と戦うような事は2度もあってほしくないけどね。


 話していると先生が教室に入ってきて、子供達に座るように指示をする。

 まだチャイムは鳴ってはいないけど、子供達は先生の言う通りに席に座って、準備をしながら近くの子同士で話し始める。


 いい子達ばっかりだね。

 私の高校ではチャイムが鳴り終わるギリギリに座る人なんていっぱいいる。

 授業中に寝る私が言えることじゃないけど。


「算術ってどんなことしてるのかな〜?」

「獣人族の大陸はどれほどの算術を学ぶのかしら?」

「今は分数と分数の割り算かな〜?」


 「かな〜?」ってちゃんと覚えてるんだよね?

 分数の割り算できなかったら怒るよ?


「今はって、学園に通ってるの?」

「学校だよ〜」

「獣人族の大陸のだけどね」


 レイの言葉に補足を入れる。


「獣人族のって、どういうことかしら?」

「それはまた今度説明するよ、授業も始まるし」


 説明がめんどうだから切り上げる。


「確かにそうね。よければ昼食の時に聞かせてもらえるかしら?」

「その時にね」


 私がそれを言うと、タイミングよくチャイムが鳴る。

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