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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第2章 王都観光
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140話 フレンの怪異殲滅魔法


「とりあえずは怪異の発生は抑えられたから、あとは怪異の掃除をするだけだ」


 階段を上り終えたフレンが体を伸ばす。


「良かったら手伝おっか?」

「今回の事態を招いたのは私のミスだ。他者からの魔力回路の改変を出来ないようにしなかった私が悪いからね、後始末は自分でやるとも」


 やらなくていいならこのまま帰れるし私としては嬉しいけど。


「街には沢山いるけど、それを1人でやるの?」

「流石に1人ではないさ。君達を案内したイクス君も対応してくれているし、リン君ともう1人、いやもう1柱かな?ドリアード君という私の同居人も対応してくれているよ」


 1柱?

 神様ってこと?

 神様と暮らしてるの?

 でもあの時誰もいなかったよね。


「私とアリスが行った時はちょうどいなかったの?」

「いや、2階にいたよ。顔出しても良かったと思うのだが、どうやら乗り気じゃなかったみたいだ」


 まあ、私もお姉ちゃんの友達が来たからといって顔は出さないからね。


「それでも2人と1匹と1柱だよ」

「フレンお姉さんはどれくらい強いの〜?」

「強さとは一概に測れる物ではないが、グランダムの1区域にいる怪異を1分もかけずに倒しきることは出来るかな」

「1区域って北区とか南区とかってこと?」

「その通り。今回の私の担当は南区だね」


 王都の4分の1の範囲にいる怪異を1人で殲滅出来るってこと?

 王都って広いよ?

 20mぐらいの高さから見ても地平線まで王都は続いているし、そこから10m高いところから見たってきっと地平線まで王都は続いてるはず。


「良かったら私の戦い方、見るかい?」

「見てみた〜い」


 私も守護者と言われるフレンがどれくらい強いのか気になる。


 王城を出ると私とレイは私の箒に乗り、フレンは袋のアイテムボックスから箒を取り出して乗って私達は空に出る。


「どうやって1分で倒すの?」

「魔法とはイメージによって成り立つ技術だからね。どういった仕組みを持ってしてその魔力を行使するかを言語化するには少々難解さが付き纏うものだからね」


 まぁ、それはそうだね。


「どういうこと〜?」

「つまりは私が言葉で説明するより、見てもらった方が早いかな」


 説明がめんどくさいってことね。


「それじゃあ見て理解するよ」

「そうして貰えると助かるよ。ただ理解出来る範疇にある魔法かは微妙なところだがね」


 国の守護者の範囲殲滅魔法、どんな感じかな?

 魔法陣を大量に展開してレーザーのような物で相手を撃つみたいな感じかな?

 そういうのだと他の家とかに被害が出そうだけど。




 ある程度の距離を飛ぶとフレンが止まる。


「この辺りが南区の中心だね」


 真下を見ると大きな広場が見える。

 広場には沢山の出店があるのに一切人はおらず、その代わりに怪異が10匹ぐらいが歩いている。

 広場に繋がるいくつもの道にも怪異が歩いている。


「それでは、見ていてくれたまえ」


 フレンが私達の方を振り返り、人差し指を立てながら親指と中指で指パッチンをすると、人差し指の先にピンポン球ぐらいの淡い青色に光った球体が現れる。

 フレンはその球体を摘むと、それを私達の方に見せる。


「これを使うの?」

「その通り」

「これで倒せるの〜?」

「倒せるとも」


 フレンが微笑むと、球体を地面に落とす。


 地面に落ちて割れた球体から淡い青色の煙が出始め、それが球体から出る風に乗って広場や道を駆け抜ける。


「どうなるの〜?」

「見ていれば分かるさ」


 私はフレンの言葉を聞いてある怪異を見る。


 さっきまで歩いていた怪異は両手をついて叫声を上げる。

 すると突如として怪異の肉体が泡立ち始める。

 怪異はの肉体は膨らみ、破裂し、そのたびに黒い液体を撒き散らす。


「う〜、きもちわる〜」


 レイが顔を手で抑えながら言う。


「確かにグロいね、これってどういう魔法なの?」

「あの煙を怪異が吸い込むと肉体が沸騰する魔法、それだけの魔法さ」


 いや、強くない?

 煙を吸っただけで肉体を沸騰させるのがまず分からないし、条件を怪異だけに絞れる理由も分からない。


「なんていう名前なの?」

「名前なんて大そうなものはないさ」

「そうは言っても大した魔法じゃない?怪異を殲滅するには優秀すぎるし」

「確かにそうだが、怪異が出る原因は虹の灯火にあり、ならば怪異が出た時の責任は本来は私にあるものだ。それを処理するだけの魔法に、名前なんて必要ないのさ」


 謙虚なのか心からそう思っているのか分からないけど、あまりにも過小評価がすぎる。


「人には無害なの?」

「もちろん無害だとも。良かったら吸ってきてもいいんだよ?」

「いや、遠慮するね」


 ということは傭兵にも無害なんだね。

 いや、便利すぎない?


 いくらイメージで魔法が成り立っているとしても、ここまで繊細な調整を出来る人なんてゲーム内では聞いたことない。

 そもそもゲーム内ではフレンドリーファイアは無効で、そこの調整をする必要はないからね。


「それでは私は倒し残しがないかを確認をするから、今日はこの辺りでお別れかな?」

「そうだね、レイもそれでいいよね?」

「うん、いいよ〜」

「うむ、それではまたね。もし用があったら、いつでも沼地に来てくれたまえ」

「またね」

「じゃあね〜」


 私とレイはフレンと別れると、適当な場所で箒から降りて転移魔法で宿の部屋に戻る。


「ただいむっ…」

「ちょっと、寝てるかもしれないでしょ」


 手を上げながら大きめの声で言い始めたレイの口を抑える。


「あむあむあむ…」

「とりあえず部屋に用はないから、さっさとお風呂入って寝るよ」

「あむあむ…」


 私はレイを連れて大浴場に向かう。

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