009. 新しい能力
久しぶりの投稿です。最近は、コロナのせいで外出粛清なこともありダラダラ・ゴロゴロしてしまってます。
頭の中身もダラダラ・ゴロゴロしていたので、話の内容が前話とかちあわないかもしれないのはご容赦ください。
ディーデリヒと会話をした後、現実を思い知ってしまったことでアルフェリスは独り悩み、高熱を出してまた寝込んでしまった。元々、“騎士科”を目指していたアルフェリスはそれまであまり病気にかかることもなく健康体であることに自信があったため、二重のショックであった。
高熱を出して寝込んでから数日、アルフェリスは目を覚ました。
目を覚ましたアルフェリスはそれまで亜麻色の髪色だったのが、白髪とも見える透き通るような銀色の髪へと変わってしまっていた。
さらに騎士としては魔力量がかなり多い方だったが、それでも騎士の中で平均よりも1.5倍程度であった。目覚めると宮廷魔導士の上級魔導士が持つ平均的な量よりも10倍もあった。
今まで魔力を使おうとして使っていたのではなくダダ漏れ状態の上で、剣術に必要な肉体強化などの魔法を使っていた。それでも騎士の訓練によって疲れたのかわからないくらいのものだったため、魔力が漏れているとは感じることはなかった。魔力制御の力があまり訓練されていない状態で、魔力量が増大したためさらに周辺に魔力が漏れている状態だった。
おかげで魔力枯渇状態が常に起こっている体だからずっと頭痛や耳鳴り、ひどい時には眩暈や脱力感、吐き気などの症状に襲われた。決まって午後になる頃には、瞳の色が母親である王妃ゆずりの緋色の瞳が金色になる。魔力制御ができていない状態では、目が覚めてもベッドから起き上がることもできなかった。
そんな日々を過ごしているうちに、アルフェリスが心配で週末の休みになる度、王宮に戻ってくるディーデリヒが魔道具を見つけてきた。そのため、応急処置として魔道具を身につけて魔力量を安定させることにした。
道具を利用することによって漸く症状も安定してきて起き上がれるようになった。
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王立エバーグリーン学院の新学期はアルフェリスが眠っていた間に長期休暇が終了し、“一般科”の新しい1年生を迎え卒業パーティー直前に起きた事件は忘れられていた。
暫くの間起き上がれなかったことで、体力も低下した。見た目の変化もあり、今までの雰囲気とは違い、『儚げ』という言葉がぴたりとくる様相に変わってしまった。そのせいで王宮にいる従者でさえアルフェリスと接触がない者はアルフェリスだと認識するまで時間がかかった。当然、目が見えない状態ではあるが魔力を利用して視えるようになった。敢えて視る必要がないときは普通にしていた。そういう日常のやりとりで、いつの間にか魔力制御ができるようになっていた。
やっと見えない事実を受け入れられ、魔力を制御して視る力を利用することに気持ちを整理した。ただし、結果がこうなったことに対しては整理できたが、アルフェリスがこんなことになった原因の犯人に対しては恨みが消えるわけではなかった。
そのまま黙って許せることでもなかった。それはアルフェリスだけではなく、ディーデリヒも同じであった。
アルフェリスが意識を取り戻し新しい力に目醒めて、自分なりに力を制御できるようになったのは新学期が始まり6カ月近くの月日が経とうとしていた。
いつも読んでくださりありがとうございます。さらに楽しめるお話になるよう頑張ります。読んでくださる方・ブックマークしてくださる方には感謝します。