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005. 困惑 -1-

 時間は遡り・・・


 事故の喧騒が鎮まった頃。


 生徒会役員のメンバーは生徒会執行部室に集合していた。やっと卒業パーティーの準備が整い、あとは食材の搬入や警備配置の手配などが終われば少しだけゆっくりできると思ってたのに、また新しい問題が起こった。

 詳細を知るであろう”一般科”に所属するレオンハルト・バートシェンナとその婚約者であるセレスト・フランゼンの2人は目の前で起こったことによりショックが大きかった。その日はそのまま事情を聞かずに寮の部屋で休むように帰した。怪我をしていた”一般科”のアルフェリス・ローゼン・エバーグリーンは目を覚まさないため、兄であり”騎士科”に所属する2歳上のディーデリヒによる判断で王宮へと連れ戻された。


 事故が起こった直後に中庭へやってきた生徒会執行部のメンバーは、叫ぶ女子学院生や、その近くにいた男子学院生たちをまとめ、倒れた人がいることを悟らせないように、反対方向の校舎にあるカフェテラスへと集合させた。その中で何が起きたのか見ていた者と何も見ていなかった者に分け、全員所属クラスと名前と事故が起きたとき中庭のどの場所にいたのかを確認し、後者の学院生たちにはすぐに教室へと戻るよう促した。

 少しでも何か見た学院生に対しては何を見たのかも聞いていった。だが、誰もが答えることは

「何かが激しく光り周りが見えなくなるくらいになったと思ったら大きな音がした。」

 大なり小なりの表現の違いはあったものの、(おおむ)ねこんな表現だった。これ以上の話は聞けないと思い、学院生たちは全員教室に戻された。午後の授業が速やかに開始された。”騎士科”や”魔法科”による実技訓練においても全て座学とし教室に学院生のみならず教師たちも()()にした。


 生徒会執行部室へと集まった生徒会役員のメンバーたち。

 椅子に座り、誰ともなく深い溜息を()いた。

 広報のリタが黙って紅茶を淹れ注いだカップをテーブルに置いた。生徒会長のリアムはカップを取り一口紅茶を飲む。沈黙していても時間が過ぎるだけだと一呼吸おき、話し始めた。

「突然の出来事でびっくりしたと思うが、素早い対応ご苦労であった。」

 リアムはみんなの顔を見回した。不安な顔をしている者もいるが状況がわかれば変わるはずだと思い話を続けた。

「先程起きたことはちょうど僕たちがパーティーホールから中庭に行く直前に起きた。中庭にいた学院生たちに話を聞けたか?」

 金髪碧眼のリュシアンはまとめたメモを見ながら

「僕が確認できた学院生たちからは『眩しく光ったから何かと思って見たら、そのあとすぐに大きな音がした』というような話ばかりでした。」

 と言うと、書記のサーシアム・ベルンハルトも頷きながら

「私が聞いた学院生たちも同じでした。どうやらこれ以上の詳しいことは・・・。」

 ディーデリヒとリアムは顔を見合わせた。




ブックマークありがとうございます。少しずつ読んでくださる方がいることを実感できとてもうれしいです。

文章の内容によってはBL的な感じを醸し出しているように読み取れるかもしれませんが、作者本人にはそのつもりは全くありません。

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