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004. 闇に・・・

 夢を見ていた。


 幼き頃に一緒に遊んだ。


 何度かリアムとミシュアは父親のアントニオ・エアハルト辺境伯に連れられて王宮に来ていた。その度、アルフェリスはミシュアと庭園で隠れるように遊んだ。

 庭園の花を摘みミシュアに渡し、顔を真っ赤にする。

「ミシュア!大きくなったら僕と結婚してくれ・・・。」

 アルフェリスは名前を呼んだ声より、だんだんと小さくなりながらも精一杯の告白をし、ミシュアの返事を待つ。

「・・・・・・☆ ♡ % □ △ ◯・・・・・・。」

 何を言ってるかわからない。

 笑顔でアルフェリスに話しかけていたはずのミシュアの顔が黒い何かに覆われて消えていく。


 今まで王宮の庭園にいたはずなのに真っ黒になる。

 ただそこにはアルフェリスだけが佇み、周りを囲んでいた薔薇が残る。

 白い花だったはずの薔薇が赤みを帯び、花弁(はなびら)の間から血のように真っ赤なものが流れ出す。まるで自分が身体の一部から流しているかのように・・・・・・。

 赤い血のような物が流れていたかと思えば黒い物へと変わり、気づけば薔薇の花も見えない暗闇の中でアルフェリスただ一人倒れていた。


 夢なのか?現実なのか?それ以上に俺は生きているのか、死んでいるのかさえも分からない。暗闇の中で音さえも聞こえない。

 どのくらい暗闇が続くのかもわからない。だんだんと気持ちが覚めていく。


 何度目かに見た夢。輪郭だけの顔。その顔には黒と緑が入り混じった色で塗られた顔。男のような女のような。服装は騎士服のような貴族服のような。認識ができないもののように見える中で長剣を手に握っていることがはっきりわかった。そのモノは剣を握りアルフェリスに向けてそのモノの気持ちだと丸わかりの暴言を怒鳴り散らしていた。

「なんでお前が死んでいないんだ?!」

「お前がいるから俺が日の目を見れないだ!」

「お前なんか死ねばいいんだ!」

 殺意を剥き出しにした言葉とともに、剣が振り下ろされた。

 アルフェリスは抵抗もできず切られたと思い、自分の体を手で触ってみる。指の間から流れる血を見つめているが痛みを感じない。痛みはないが血はどんどん流れる。血だとわかるとその場で倒れ、意識を失った。


 どのくらい時間が経ったのかわからない。

 アルフェリスはまた暗闇の中で目を覚ました。今度は現実なのか?と思い起き上がる。先程流れ出た血は消えていた。

 また暗闇の中だった。どこに自分がいるのか全く分からない同じ場面を何度も繰り返した。何度も血を流した感覚から、自分で立ったままの姿勢でいることがつらくなり座り込んでいた。アルフェリスは暗闇の中で襲ってくるモノの剣にさえ反応を示さなくなっていた。されるがままにアルフェリスは斬られていた。目には光がなくなっていた。

 何ヶ月も何年も暗闇の中で過ごしているような気がしてきた。

 ふとした瞬間に今までにない暖かな柔らかい光がアルフェリスを包んでいた。暗闇に慣れたアルフェリスにとっては眩しすぎる光だった。手で目を覆うようにしながら、反対の手で光を払いのける仕草をしていた。けれど、そんなことをしても払えるわけではなかった。アルフェリスの体を包んでいた光はだんだんと小さくなり、アルフェリスの体の中へと吸収されそのまま消えた。

 また今までと変わらない暗闇に包まれた。






 いつになったら目が覚めるんだろう・・・。

 いや、覚めているのか・・・?

 どうしてこんなに暗闇が続くんだ・・・?


 暫くの間、同じことを永遠に解けない謎のように、ずっと考え込む。


 なぜ?ここはどこだ?

 自分の近くに誰かが来た気配を感じた。

 そちらに少し顔を向けると、ほんのり温かなものを感じた。

 光が差し込んだようだ。

 その気配を持った人は、アルフェリスが目を覚ましたことに気づき、目を大きく見開いた。

 声を発しない気配は、走り出すくらいの早さで部屋を後にした。

 扉が開けられ近くにいた護衛騎士へと伝達された。


 護衛騎士が動き出すと、廊下はざわめき始めた。


 目を開いてみたがやはり何も見えない・・・。

 一点に集中して目を細めてみようとするが、そこには暗闇しかない。段々と苛立ちさを感じ左腕を顔の上にのせる。耳を澄まして何か聞こえないか集中してみる。



 バンッー

 勢いよく開け放たれた扉に驚き、肩をビクッとさせた。

 扉の方から足早に歩く足音が聞こえる。


 ーーん?誰だ?!

 眉間に皺を寄せ、音の聞こえてくる方向に顔を向けた。

 走ってくる足音の主に体を抱きしめられた。

「よかった!目が覚めたんだね。体は痛いところない?僕のせいで・・・こんなことに・・・すまない!」

 鼻をすする音が聞こえてきた。

「そこにいるのはレオン・・・か?えっ?泣いているのか?」



自分の中に乏しい言葉しかなく、文章がなかなか成り立たないです。

それでも読んでくださる方、ありがとうございます。

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