第一話 レウス、三歳の誕生日 後編 1
~サラマンドラ家~
レウスは、パーティーが始まる前に自分の部屋で横になり、兄二人からもらった魔導書を読んで呼ばれるまで待っていた。
「レウス、時間ですよ、準備なさい。」
そういう声が聞こえ、母とサラが入ってきた。
「分かりました。が、姉上たちは?」
「あの子たちは、先にいって、他家の方々とお話していると思いますよ?」
「………分かりました。もうでれるので行きましょう。」
姉たちの行動が速いとは、いやな予感がする。この母にあの姉あり、だから不安しかない。うちの家族は見た目だけはいいから(レウススキー)
みんな疑わないんだよな。………こわっ。
はぁ、パーティーは嫌いなんだがなぁ。
三人でパーティー会場へ歩いていると、メイドたちが、慌ただしく歩き回っていた。うちのメイドたちが慌ただしくしているのは、珍しいので見入っていたら、会場に到着した。
「では、レウス、行って来なさい。挨拶頑張ってね。」
………ん?挨拶?なんで?あっ……忘れてた……みんなの前で挨拶しなきゃ……どしよ……
俺が悩んでいるとアナウンスの人がしゃべり始めた。
「えぇ、では、これよりサラマンドラ家三男、レウス•サラマンドラの誕生パーティーを始めます。初めに、皇帝陛下から祝辞が御座います。陛下お願いいたします。」
「うむ、では皆わしのことは知っていると思うが、子供たちはしらないかもしれないから自己紹介からしようと思う。」
「わしの名前は、ヴラド•オルクス。今代の皇帝だ。今回、レウス君の誕生日という、めでたい日であるから、皆、上下に関係なく楽しんで欲しい。以上だ。」
さすが皇帝、威厳がある。だが、皇帝の挨拶が終わってしまった。次は俺の番だ。
「皇帝陛下ありがとうございました。次は、今回のパーティーの主役であるレウス様の挨拶です。レウス様お願いします。」
はぁ、………よしっ
「ご紹介あずかりました。サラマンドラ家三男のレウス•サラマンドラです。私の誕生パーティーに来てくださりありがとうございます。めでたく三歳を迎えることが出来、嬉しく思います。まだまだ、若輩者ですが、皆様よろしくお願いします。」
パチパチパチパチ
よかった、やっと終わった。実際の時間だと数分間ぐらいしか喋ってないが、めちゃくちゃ長く感じた。
スピーチの終わったあと、父上が話しかけてくれた。
「レウスよ、いいスピーチだったぞ。お前は本当に三歳児か?」
「正真正銘三歳児ですよ父上。貴方は私がうまれてからずっと見てきているでしょう。」
でもなんか、静かだな?
「ところで父上、どうして皆さん静かなのですか?」
「それは、お前のスピーチが三歳児の出来る範囲のスピーチではなかったからだな。皆、ある一種の放心状態になっているところだろう。」
……えぇ……三歳児出来ないの?初耳なんだが……まぁ、いいや。(・∀・)
「それよりレウスよ、皆の挨拶回りが始まるぞ。気を引き締めていけよ。」
「分かりました。」
すると、アナウンスの人が、
「これから、今パーティーの出席家をお読みいたしますので、もし、間違っておりました、ご容赦ください。」
「では、出席家をお読みします。皇家から皇帝陛下、皇妃様、第三皇女様、四大公爵家からウンディーネ家当主様、奥様、その次女様そしてウンディーネ様、シルフィード家当主様、奥様、その次女様そしてシルフィード様、ノーミード家当主様、奥様、その三男様そしてノーミード様、十三侯爵家からレオ家当主様、奥様、オフィウクス家当主様、奥様、第一宰相様、その奥様、第二宰相、その奥様、第三宰相、その奥様、その他大臣様や将軍、長官の皆様とその奥様で御座います。それでは、紹介は終わります。」
アナウンスの紹介が終わり、パーティーも順調に進み、子供たちは、違う部屋で遊ぶことになった。
「えぇ、もう一度、自己紹介をしようと思う。サラマンドラ家三男のレウスだ。よろしくたのむ。」
「わたしは、マリアよ。シルフィード家の次女だわ。よろしく。
「おれの名前は、ルイスだ。ノーミード家の三男だな。よろしくたのむ。」
「わたしは、アリア•ウンディーネというの。三女よ。よろしくね。」
「レウス専属メイドのサラマンドラだ。三人とも久しぶりだな。愛称はサラだ。そう呼んでくれ」
「久しぶりね、サラ。まさかメイドになってるとも思わなかったわ。わたしは、シルフィードよ。シルフィと呼んでね。」
「ぅうぅ……ノーミード。………よろしく。愛称はノーム。」
「ノームは相変わらずね。私はウンディーネ。愛称はディーネだから、よろしくね?」
「では、みな自己紹介が終わったことだし、何をするか?」
「俺は鬼ごっこがいいな。みんな、くじ引きして、パートナー組んで、やるってやつ。」
「いいわね、それ。では、決めましょうか。」
結果は、
レウス、サラマンドラペア
マリア、シルフィードペア
ルイス、ノーミードペア
アリア、ウンディーネペア
「なんだよ。一緒じゃねぇか。」
「ルイス。文句は受け付けないぞ。じゃあ、ペアは決まったし、ルールを決めるか。ルールは、屋敷の敷地内だけ、何でも有り。OK?」
「分かったわ。では、鬼はこの屋敷を熟知している、レウス君からね。」
「分かった。では、みな三十秒数えるから散らばれ。」
1,2,3,4………28,29,30っとさてと行きますか。
「サラ行くぞ。」
「分かったわ。」
「では、よ~いドン。」
その瞬間、レウスがいる部屋のドアがぶっ飛んだ。
次回へ続く
リアルが辛い………疲れた。癒してくれるのは、漫画だけ。
少々長くなってしまったので、何本かに分けて書きます。




