第二話 街
スミマセン。パーティーの話の前に書きたいことがあったので、次が後編です。
昼食会が終わり、レウスはサラと一緒に街にきていた。
レウスがいる町はサラマンドラ領の首都であり人口は15万人の大きな街で国有数の商業都市である。
「なぁ、サラ。今日は何処に行くんだ?」
「今日は、好きにしていて構いませんよ。特に予定はありませんので。」
「なら、せっかくきたが帰っちゃだめか?」
「ダメです。貴方の誕生会の用意があって、貴方は邪魔にしかなりません。」
「ヒドッ。じゃぁしょうがないからこの前出来たドーナツ屋行くか?ウマいって評判だぞ。」
「いいですね。ではそうしましょう。」
俺たちが大通りを歩いていると、
「レウス様、良かったら食べて下さい。新作のプリンです。」
うん、ウマそう。
「レウス様、こちらも持っていって下さい。新たに改良した魔法杖です。」
いや、それは3歳の子供に渡しちゃダメだろ……
「レウス様お誕生日おめでとうございます。これ良かったら受け取って下さい。結婚指輪です。」
………………………はい?
イマナントオッシャイマシタ?
……ケッコンユビワ?
ヤバい、一瞬聞こえてはいけない声が聞こえた。しかもよく見るとうちのメイドではないか!……よし、
「皆さん、ありがとう御座います。ただ、結婚指輪はご自身で持っておいて下さい。貴方の好きな人に渡してあげるといいでしょう。」
これで乗り切った。これだから街にはきたくないんだよ。はぁ、疲れた。ドーナツとかもういいから帰りたい。3歳には辛いは。
どうせ、今頃みんな『レウス様お優しい』とか『レウス様パネェェッス』とかいってるよ。
ホントメンド。
「レウス様お優しい」
ほら。
「レウス様は天使様だ」(この世界では、天使は少女です)
俺は男だ。
「やっぱり、レウス様結婚して。」
この発想はなかった。
「レウス様、新作ドーナツです。お持ちいたしました。」
いってもいないのに欲しいのきちゃったよ。
「ありがとう御座います。でもいいんですか?」
「いいんですよ。貴方様が食べたいと思っていると感じたので、速攻で揚げてきて持ってきました。100個近く持ってきたんで領主様たち皆さんで食べて下さい。」
やべぇ、ついに俺の心を読み始めた。というかこの短時間でどうやって揚げてきたんだよ。
ここの人たちはなんか出来る人たちなんだけどヤバいんだよな。
「ありがとう御座います。では、家に帰って皆で食べせて貰いますね。お金は、後で使用人に持たせますので。」
早く帰りてぇ。
「では、皆様ここで私たちはおいとまさせていただきます。」
ナイス、サラ。やっぱ出来るメイドは違うな!………あれ?こいつメイドだっけ?まぁ、いいや!これで帰れる!
レウスはほぼスキップをしながら帰って行った。
~レウスが去った後の街の人達~
「いやぁ、レウス様マジで可愛かったなぁ。」
「そうね、食べちゃいたいくらい。」
「ダメだぞ!レウス様は俺たちのアイドルなんだ!」
「まぁ、レウス様なら成長しても、イケメンになることは間違いないでしょうね。」
「おうよっ。俺たちでレウス様を見守っていこうゼッ!」
「「「「「ウォォオ」」」」」
と、老若男女の雄叫びが街中を包んでいた
~家族でドーナツを食べるレウス~
ビクッッッツ
「レウスよ、どうしたんだ?いきなりはねて。」
「スミマセン父上。なぜだか、寒気がして。」
「レウス、風邪でもひいたか?」
「まぁ、大変。では、私が添い寝してあげますから一緒に寝ましょう。」
「お姉さまズルいです。レウス、私と寝ましょ。」
「いいえ、お姉さま。レウスは、私と寝るんです。ね、レウス一緒に寝ましょ?」
「落ち着いて下さい。今はもう大丈夫ですよ。」
「「「いや、レウス。まだ分からないから一緒に寝ましょ?大丈夫よ、怖くなぁい、怖くなぁい。」」」
「いやいや、姉上たちは俺と寝たいだけでしょ。」
「あっ、バレてた?しょうがないから、作業に戻りますか。」
「そうして下さい。私も部屋に戻ります。」
こうして、レウスはピンチから免れたのであった。………多分。




