第一話 レウス、三歳の誕生日 前編
空が青く澄み渡り、心地よい風が草原中に吹いていた。草原の小山に一本の木が生えていて、そこには、小さな少年が横になり、昼寝をしていた。すると、そこへ赤い髪でメイド服を着た女性が少年に近づいて、声をかけた。
「レウス、起きなさい。お昼の時間ですよ。当主様もお待ちですよ。」
彼女はそう言って、少年ことレウスが起きるのを待っていた。そして、
「了解。というか、もうこんな時間か。寝過ぎるのは良くないな。」
そう言ったわいいが、レウスは起きようとはしなかった。
「レウス、早く起きないと無理矢理起こして連れて行くからね。」
と、女性が言うとレウスは少し震えながらゆっくりと立ち上がりながらも、
「いや、お前が無理矢理やると体が変な方向に向くからそれだけはやめろ。」
「貴方が起きないのがいけません。」
「へいへい、わるぅござんしたねぇ。」
愚痴を言いつつも従うレウスは女性に対しては頭が上がらないのであった。
「レウス、遅いぞ。もう、メイド達ですら座って待っているだろう。」
歩きながら愚痴を言っていたレウス達は目的の場所に到着し、すぐに声をかけてきたのは、レウスの父であり、この家の当主であるガイル•サラマンドラであった。
「そうですよ、レウス。サラに連れてきてもらうとは、何事ですか。今日から三歳なのですから、ビシッとしなさい。ビシッと。」
そう言ってるのは、俺の母でレイラ•サラマンドラである。
ちなみにサラと言うのは先ほどレウスを起こしに来た女性で、実はサラマンドラ家を守護する、サラマンドラ本人である。メイド服は趣味だ。
だがメイドみたいな動きをするので、皆からレウス専属のメイドとしてみられている。
今回もレウスを連れてきたにもかかわらず、もう席に座っていた。
まぁ、メイド達とご飯を食べる家は珍しいのだが、ここの家のメイドは普通に座っている。
「済みません、父上。少しうたた寝をしてしまって遅れました。」
「………まぁ、いいだろう。今日はレウスの三歳の誕生日だ、今日は夜もあるが夜の方は客人がたくさん来るので家族皆楽しんでくれ。」
そう父上の言葉が終わり、お昼ご飯が始まった。
「そうだっレウス、お前が欲しいと言っていた魔導書だ。兄達からのプレゼントだよ。」
「兄上と一緒に考えたものだ。受け取ってくれると嬉しいな。」
そう言って魔導書を渡してきてくれたのは、一番上の兄でカイン兄上と次男のアベル兄上だ。
「ありがとうございます。図書室の本を読み終わってしまって暇だったんですよ。」
「なに?レウスよ、お前図書室にあった本をすべて読んだのか?」
「はい、父上。この前読み終わってしまいました。」
「やはりレウスは天才だな。」
と、父上がいうと、
「そうでしょうとも、俺たちの可愛い可愛い弟なのですから、天才なのは当たり前でしょう。」
とカイン兄が言い、
「レウスが天才ではなかったら、誰が天才なのですか?」
と、アベル兄が言った。すると、兄上達の前に座っていた姉達三人が、
「レウスが可愛いのは当たり前ですよ、父上。」
「そうですよ、レウスは我が家の天使なのですから。」
「レウスは私の家だけではなく、サラマンドラ家の領地ないでのアイドルなのですから。あっ、お姉ちゃん達からのプレゼントは夜渡しますね。」
と、いった。これを聞くだけで分かるとおりに、レウスは愛されていた。家族からも、領地内の民からも。だが、愛されすぎて今後レウスにピンチが訪れるとはまだ、誰も知らなかった。
ただ、元凶は姉達三人とレウス隊と呼ばれるレウスのファンクラブ(現在はメイド)だった。
次の話はレウスの誕生日の夜の話です。
レウスはいいですよね!
私、一人っ子なのでレウスが羨ましいです!!
私もお姉ちゃん欲しい!!
あっ、カインとアベルの名前は、旧約聖書にでてくる、カインとアベルからとりました。
他の人の名前は募集中です。
次の話を早く書けるように頑張ります。誤字脱字はなくすようにしてますが、あったら報告下さい。 以上、セイでした。




