プロローグ
いじめ、自傷行為などが出てきます。
酷い渇きを感じた。閉じた瞼にギュッと力を入れる。脳はまだ私の体を動かしてくれないけど、段々と意識はハッキリしてきた。
目を開けてみると見覚えのない天井が見えた。もとは白かったものが時間が経ったせいで薄く黄ばんでいる。そして窓の外から差し込む優しい光に包まれて、この世のものとは思えなかった。
私はベッドに横たわっている。気管がタワシで擦られたように痛み、口には乾いた布みたいなものが詰められていて顎が軋んだ。両腕は私の頭の上で何かに囚われている。ずっと動かしていなかったせいか肘や肩の関節が固まって悲鳴をあげていた。
体には柔らかいタオルが巻き付いていて、微かにいい香りがする。洗い立てでふわふわ。それが私の心を落ち着かせていた。足は自由に動かせるけど、倦怠感が広がっていて重たい。
ここはどこ?辺りを見回すと首の骨がポキポキと音を立てた。
ただ明るくて殺風景な部屋だ。私がいるベッドの隣に机が置いてあるだけ。他には何も、誰もいなかった。
どうなってるの?私、死んだんじゃないの?ここは天国のようにあたたかくて心地いいのに、どうしてこんなに体が痛むの?
なんとかして自分のことを思い出そうとすると、耳鳴りが始まった。