表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

第十話 ふふ、物語というものはいつか終わるものさ

さて、今回で終わりとなってしまいました……今思えば非常に駆け足だったなぁと思っています。

第十話

 一人の少年が地下への階段を降りていた。

「まさかとは思っていたけどこれはいいことになったね……木曽家の人たちもとんだお宝をみすみす手放すなんて………やっぱり、没落していく家系を見ているのは他家であっても心が痛いね」

 その割にはあまり表情が変わりない言い様だった。

「さて、僕が出来ることといえば何があるのかな?」

 少年は地下室の扉を開ける。そこにあったのはもう一つの扉だった。

「さってと………とりあえずあの二人がどうなったのか………良く見ておいたほうがいいかもねぇ………土蜘蛛、ようやく君の主を見つけてあげることが出来たよ、いってくれ」

 少年は暗がりへと視線を飛ばすが、そこから返ってきた返事は文句を言ったのだった。

「え〜剣治、何言ってんだよ……これから俺はデートなの。野郎の相手をしている暇なんてないんだよ………第一、俺の主は女の子じゃなかったわけ?」

「残念だが九割がた女性っていったよ。一割は男の可能性だってあるって言っただろ?」

「ちっ、どうせお前のことだから実は九割男だったんだろ?」

「さぁ?それはどうだろうね」

 剣治は答えずに扉を開ける。

「さ、急いで行ったほうがいいよ」

「いやだね俺にも何かいいことがないと却下だ」

「じゃ、予報してあげよう。彼と一緒にいると絶対に美少女、美しいお姉さん方と会うことが出来る」

 その言葉に陰から嬉しそうな返答が帰ってくる。

「ほ、本当か?」

「ああ、本当だ……今度は嘘をつかない」

「よしっ!乗ったぜ!じゃあな」

「ああ、思う存分エンジョイしてくるといいさ」

 陰の主はすばやく移動するとすぐに扉の中に姿を消したのだった。

 そして、残されたほうの少年は今度は別の部屋の扉を開ける。そこには『零式』とかかれた鉄の棺桶の様な物があった。棺桶内には管が通されており、時折聞こえてくる息遣いが不気味さを漂わせている。

「…………さて、どれほどの力を発揮するのかな?時雨君、ぜひとも僕にその成果を見せて欲しい………」

 陰の主が消えた扉にその鉄の棺桶を入れ込む。棺桶に変化は無く、素直に入り、姿を消してしまった。

「………じゃ、僕もそろそろ行く準備をしないとね………」

 そして、最後にその扉に入っていったのは謎の少年だったのである。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ