#1 銀河邪神との出会い也
「くそっ!バリアとかありかよ!」
暗闇の中を駆ける二つの閃光。耳をつんざく衝撃音が時々閑静な住宅街に響く。
一つは異形の顔の男、一つは衝撃波のような物を発しながらそれから逃げる高校生ぐらいの少年。
そして袋小路に追い詰められた少年に向けて、異形の男はプラズマの刃を構え、刻一刻と少年に迫る。
少年は衝撃波を繰り出して接近を止めようと試みるが、全てバリアで無効化されてしまう。
(終わったな…)
少年が観念して尻を着けると、キュィィィィイと言う音が聞こえる。
「ん?」
「ギ?」
思わず二人は空を見上げた。すると紅い球体が此方を目掛け飛んでくる。
「こっちくんなぁぁぁぁああ!!」
紅い球体はそのまま異形の男と少年の間に墜落する。そして轟音と閃光、そして衝撃が周囲に発生する。
「グギィ!?」
男はプラズマの刃を落として空に浮かぶ。
「観念しなさい、宇宙の帝王 (笑)、バリスト星人!」
暗くて分かりにくいが、少女が異形の男、バリスト星人と話しているようだ。
「貴方は死ぬ!その血の定めよ!」
そして星人の断末魔が響いたと思うと、月の光がその少女を照らした。
その少女は、美しい少女だった。長い黒い髪が光を受け怪しく光り、白い無地のワンピースを着た少女は、緑色の血の様な物で汚れていた。横に転がるバリスト星人の死体を見て、少年は、こいつはアイツを殺した時返り血で汚れたと思った。そしてソイツは自己紹介を始めた。
「宇宙の平和を守る宇宙警備機構M78星雲支部ベルゼブブ星より貴方の護衛として派遣されましたベルゼブブ星人のベルゼビュートです!ベルと呼んでくださいね~」
「は?」
思わずその一言が漏れる。宇宙警備機構?M78星雲?それにベルゼブブ星?訳の分からんソイツを置いて俺は全力疾走した。
すると、後ろで物凄い砂煙が立ち、少年の元にベルがやって来た。
「雨月 蓮さん、私は貴方の護衛です!お家まで、いや居候するんで着いていきます!」
「はぁ!?」
この後俺は人生で最も壮大に叫んだ…
NEXT エピソードに続く