不確定名桃太郎
昔々ある所に、おじいさんらしき物体とおばあさんらしき物体があったとされています。
ある日、おじいさんらしき物体は山らしき場所へなにかをしに、おばあさんらしき物体は川へ洗濯をしに行きました。
おばあさんが川で衣類らしきものを洗っていると、どんぶらこっこどんぶらこっこというこの世のものとは思えない奇妙な音を打ち鳴らしながら、川上からおおきな桃のような物体が流れてきました。
おばあさん物体は、おじいさん物体と一緒に桃らしき何かを食べるために、それを住処に持ち帰りました。
住処に戻ってきたおじいさん物体は、桃らしき何かを見て、たいそうな大きさだと驚きました。
おばあさん物体は、さっそく包丁のような何かで、桃概念物質を切りました。
すると、なんと中には不確定名桃太郎が存在していたのです。
おじいさんおばあさんの総合物質はこれにとても驚いたような悲鳴らしき音を出しました。
そして、不確定名桃太郎を、桃太郎と名づけて育てることにしました。
桃太郎が武器を振るう腕力を身につけるまで成長したある日、桃太郎は、村を苦しめている鬼と呼ばれる存在を排除するために旅を始めると決意しました。
その意思を理解したおばあさん物体は、きびだんごと呼ばれる正体不明の食料を作り、桃太郎とともに旅立たせました。
桃太郎がきびだんごという名のモノと共に、不確定名鬼が生活している不確定名鬼ヶ島に向かう途中で、4本の足で移動する物体と遭遇しました。
4本足の物体はイヌと名乗り、桃太郎と意思の疎通を行いました。その結果、いくらかの量のきびだんご物質と引き換えに、桃太郎と行動をともにすることになりました。
桃太郎ときびだんごと物質と4本足の物体が移動していると、2本の足で移動する物体と遭遇しました。
2本足の物体はサルと名乗り、桃太郎と意思の疎通を行いました。その結果、いくらかの量のきびだんご物質と引き換えに、桃太郎と行動をともにすることになりました。
桃太郎ときびだんごと物質と4本足の物体と2本足の物体が移動していると、2本足の飛行物体と遭遇しました。
2本足の飛行物体はキジと名乗り、桃太郎と意思の疎通を行いました。その結果、残り全てのきびだんご物質と引き換えに、桃太郎と行動をともにすることになりました。
そして、桃太郎は3種の物体と共に、不確定名鬼ヶ島に到着しました。
不確定名鬼の個体数は多かったのですが、桃太郎と3種の何かは、それらを淡々と排除しました。
桃太郎は武器で不確定名鬼の肉体組織を切断破壊し、4本足の物体は牙のようなもので挟み拘束し、2本足の物体は2本の腕で裂傷を与え、2本足の飛行物体は尖った部位で不確定名鬼の感覚器を刺突破壊しました。
唯一人だけ無傷でこの惨状を見せつけられた不確定名鬼の長は、
「まいった、降参だ!」
と言って、降参して村から奪った宝と呼ばれる光り輝く物質を差し出しました。
こうして、宝物質などを持ち帰った桃太郎達は、それらを活用し、おじいさんおばあさん集合概念物体と共に不確定名幸せと呼ばれる感情を得ながら生活したそうです。