短編小説・大きな壁
不思議な短編小説です
一日一短編
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忙しく返事は出来ませんが必ず読ませて頂いています!
私は昔からよく夢を見る。
その中でも何回か同じような夢を見る事があるのだ。
その一つが大きな壁。
登れそうにない程に高く聳え立つ壁の前には年齢もバラバラの男女が何人もいた。
みんな生気を感じない。
壁を前に無理だと諦める者や挑戦する者と様々な人たち。
ほとんどの者は壁を登りきれなかった。
木登りもまともに出来ない私には壁を登る事など無理だ。
だが、やらないといけない。
壁に手を掛けて登り始める。
身体が軽く辛さもない、簡単に登れる。
あっという間に登り終えた。
壁の向こう側には例える事の出来ない地獄絵図が広がっている。
壁を登り終えても、そこで立ち止まっている者もいる。
でも私は迷わずに壁の向こうへと飛び込んだ。
夢はいつもそこで終わりを告げる。
「また変な夢を見たな…」
私は急いでテレビをつけた。
チャンネルを回してニュース番組を見る。
「……訃報です、○○さんがお亡くなりに……」
有名人が亡くなった事を知らせるニュースだった。
驚く事もなくニュースを見続ける。
その人は壁の途中で落ちてしまった人の一人。
私は次もあの壁を登りきれるだろうか。
もし途中で止めてしまったら私はどうなるのだろうか。
当然だが、そんな事は怖くて出来ない。
読んで頂きありがとうございました!
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