アタンドット資料2 【爵位・称号について】
【爵位】
基本的にこれを持っている人及び家族を貴族と呼びます。
爵位は各国で制定されており、全ては厳密には別物と考えてもらった方が良いでしょう。実は日本にも爵位はあります。
細かいことは各自で調べて頂く事にして、ここでは大体の共通点。最大公約数的な事を述べさせていただきます。ついでにここで語るのは西洋風な世界のものとお考え下さい。
【爵位の上下】
日本などでは家の格付け的な扱いで付けられますが、西洋では主国より下賜された領土の大きさを意味します。だから、一つの家で複数の爵位を持つ事もあります。
開墾などで手に入れた土地はそれに含まれません。
ゆえに末期の国家では単純な爵位の上下では勢力は測れません。小さな領土でも金山や運河を保有する強力な貴族もいますし、離反され見る影も無くなった貴族もいると言うことです。
その序列が正当に扱われていると言うことは主国の影響力が磐石と言うことを意味します。
意外に思われるかも知れませんが、日本でも朝廷が実質権勢を誇っていた時代が短いことを考えれば、ご理解いただけるかと思います。
以下の順で偉くなっていきます。
男爵
子爵(副伯)
伯爵
侯爵(辺境伯)
公爵
【男爵】
最下位の爵位です。一般には『なりあがり者の爵位』などと呼ばれます。だから、小説などで一般人から非凡な業績より貴族に迎え入れられたものが普通です。
国の末期には爵位が売買されることもありますが、これは別のケースとお考え下さい。城爵などとも呼ばれ、領地は城一個分だったりします。
【子爵】
副伯とも呼び、通常の方法でなりあがれる限界の爵位とお考え下さい。
【伯爵】
この辺から本物の貴族と言った所です。
【侯爵】
辺境伯ともいい、公爵との混同を避けたりしています。
【公爵】
正確にはこの上に大公などもあり、かなりの領土を持ちます。よく公国という言葉を聞きますが、領土があまりに広すぎて一つの国と呼べるレベルになったものだとお考え下さい。だから、名作小公女はそのままお姫様解釈して問題は無いと思われます。
ちなみに、全ての公爵領が公国という訳ではありません。あくまでレアケースです。主国が滅んだ等理由から立ち上げられます。
家の格付けでは爵位の上下は重要ですが、家の歴史の長さの方が重要視されがちです。貴族同士での家の上下を主張しあうのは基本的に非常識な行為とお考え下さい。伯爵程度の子息が500年の歴史を持つ男爵に『成り上がり者』といえば普通に失礼で、当主である伯爵自ら頭を下げる必要が出てくるのが普通です。
と言うより有り得ない。
今の時代では名誉称号となっていることが殆どです。
【余談】
拙作アタンドットではエイドヴァン地方が舞台であり、劇中エトワール公爵家・バーフォート伯爵家・バシュマー子爵家が出てきますが上記の説明で照らし合わせると、エイドヴァン全土はエトワール家の管轄になっています。
エトワール家は失墜していて主人公達はその令嬢ガレットの保護に東奔西走しています。
失墜の遠因になったのはバシュマー家はエイドヴァンの主国へ繋がる要関を押さえてしまった事に始まります。そのカウンターに動いたのがバーフォート家で当時男爵位でしかなかったバシュマー家を子爵位に引き上げ文字通り副伯として押さえ込んだ功績があります。
それ故に両家を通常の子爵・伯爵とは別格の扱いを受けています。
そのバーフォート家の党首アリューシャが酒場でウェイトレスの真似事をやっているのだから・・・
ちなみに両家の間柄は非常に複雑です。その家柄を見れば親密と言えなくも無いですが、その経歴を見れば敵対関係ともいえます。
これらの一件が両家の仕組んだ陰謀と言う見方もあり、非常にピリピリしております。
これらのエピソードはまだ劇中ではあまり触れていません。
【騎士】
騎士も非常に多岐に渡りそれぞれが別物と考えて差し支えないと思います。
大雑把な見分け方は乗馬を許された兵士と言ったところでしょうか?一般人の乗馬(馬に直接乗る)は許されていません。伝令など職務上、必要なものはこの限りではありません。その場合は直属の支配者・貴族に乗馬を許されたと言う扱いで、私用で乗れば罰せられます。
時代劇でも、普通にパカラッている一般人いないでしょ?
騎士は位階ではなく称号で、上級騎士と平騎士の二通りに分かれます。
平騎士は普通の騎士なので説明を省きますが、上級騎士は爵位を持った騎士です。非凡な働きで男爵位を得た騎士もそうですが、大公なども時に騎士を名乗ったりします。
足利義輝のような人物は例外中の例外で、一般には非常にご婦人受けが良かったからといった所でしょうか?
西洋には獅子心王と呼ばれたリチャード一世がいますが彼は王ですし、剣の腕前までは今となっては測れません。
その辺は物語にあわせて読みましょう。
上杉謙信や武田信玄がへっぽこでもそれはそれで、そういう物語なんだと思えば逆に面白い。軍略と剣の腕前は関係ないということです。
もし、男爵位を持つ騎士と相対することになったら、普通に諦めろという事でもあります。