1.0世界
改行で見やすくしました。
決して多く見せるためではない。
はっとして俺は目を覚ます。また同じ夢を見た。これで何度目だろうか。
俺は伊田翔。本当にこの名前なのかは憶えていない。
俺は自分の家で目を覚ました時には名前などの人の記憶がなかった。
表札を見たり家をあさったところ伊田翔という名前でDEJAという軍という働いていることが分かったのだ。
ただDEJAについては記憶があったようで俺がそこでなぜ働いているのかがすぐわかった。
2200年地球温暖化の急激な進行、巨大隕石の幾度の衝突、新興感染症の蔓延などの異常現象が起こり地球に住む人類の1%(100億人が住んでいたから1億人)しか生き残ることができなかった。
地球に一番の影響を与えたのは3度目の隕石の衝突だった。
何らかの原因で謎の地球外人型生命体【D】が地球に繁殖していったのだ。【D】は凶暴で人・動物に襲い掛かかり多くの人を殺した。また、この【D】は非常にたちが悪い。【D】の主食は肉。つまり人や動物のことだ。また【D】は強さで「Lv1」「Lv2」「Lv3」「Lv4」、タイプで「攻撃型」「バランス型」「スピード型」「防御型」「特殊型」と分かれている。
そこで、【D】との対抗組織として主要国にDEJAが設置されたのだ。
また、DEJAは有力な対抗手段として【A.D】を開発する。これは【D】から能力を取り出し、それを人に与えることで覚醒させるというものだった。因みに、これを与えて何も起こらない人が不適合者、何らかの変化が起こったのが適合者となる。
タンスから取り出した適当な服を着て俺は家を出る。
因みに俺が住んでいるのは東京で、DEJA日本支部も東京にある。
俺の家から施設は近い。5分も歩けば到着してしまう。
会社のような高層ビルではない。軍の基地のような感じだ。ビルだと砲撃された際に弱いからという理由だろう。
「おはよう、翔君」
後ろから声が聞こえる。この萌え声には聞き覚えがある。
「おはよう、優子」
俺は後ろを振り返る。
セミロングの黒髪でくりっとした目。顔立ちも整っていて美しいというよりかは可愛いの方が似合う女性だ。名前は思い出せるのだが俺との関わりが思い出せない。何て微妙な記憶喪失だろうか。
「翔君、遅いよ! 今日は早くから任務があるの忘れたの?」
そうだった。
今日は早くから【D】の古巣の探索任務があったのだった。こういうことは機械的に情報が頭の中に浮かんでくる。なぜかこういうことは覚えているのに自分がどんな人間だったのか思い出せないのは不思議である。
「すまん、忘れてたわ。急いで準備するわ」
「早くしてね。みんな待ってるから」
俺は頷き、基地の中に入っていく。
次回投稿は11月5日水曜日の21時です