悪夢--現実--#+*$日目
人に言われた青年は、少女と話をしてみるが……。いやいや、それじゃあダメだと仮面は笑う。ならばどうする?それではこうする。相談し合う。君は現実--悪夢--から逃げたいんじゃないだろう?君は悪夢--現実--から逃げたいんだろう?ならば良いじゃないか。逃げてしまえば。そうすればほら、彼女は救える。そうすれば。ほら、彼女と話せる。自分の意思で。
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「…………っ!?はぁ……また、あの夢か………」
毛布を蹴飛ばし起き上がった青年は、多量に汗をかいていた。
青年は流れ出ていた汗を、近くにあったハンドタオルで拭き取ると、置時計を確認して立ち上がる。首を回して視線を部屋に回すと、和式の簡素な部屋が視界におさまる。いつも綺麗にしてくれている、彼女に感謝しながら立ち上がる。
無言のまま部屋を出ていく青年。部屋を出ると、廊下と縁側が組合わさった場所へ出る。縁側でお茶を飲んでいる少女を撫で、お互いに微笑む。しかし、すぐに無表情に戻り、歩いていく。その後ろを、微笑みながら少女がついていく。廊下を歩いていくと、突き当たりに扉があった。その扉を開けて、青年と少女はそのまま入っていく。入ると洗濯機と洗面所があった。青年は着ていた服を脱ぎ、洗濯機へと放る。それを確認した少女は、洗濯機を起動する。そのまま、青年は洗面所にある鏡を見る。
「まずいな……髭が……」
呟くと、少女が洗面台の棚にあった、カミソリとクリームを手に取り手渡す。それに感謝し、青年は顎や頬、髭のある場所にクリームを塗り、カミソリで剃っていく。ゴウンゴウンと洗濯機が洗濯する音が聞こえてくる。青年は髭を剃り終わったのだろう、蛇口を捻って水をバシャバシャと顔にかける。少しスッキリとした表情の、シュッとした精悍な顔つきが鏡に写る。それを見ていた少女が微笑み、青年にタオルを当てて水をぬぐっていく。
少女に感謝するように青年は頷き、洗面所から来た道を戻り、箪笥から黒いTシャツとトランクスを取りだし、部屋に掛けてあった制服と共に着替える。部屋にある姿見に映る青年は、スポーティーなモブキャラといった、平凡な容姿をしていた。
共にいた少女は、青年と違う方へ歩いていく。青年と来た道を途中で逸れて、台所と居間が繋がっている場所へと来る。
「ん~……今日は焼き鮭。お味噌汁は……ほうれん草と……」
少女が一人言を呟きながら、朝食を用意していく。出来上がる少し前に、すでに青年は席についてぼーっとしていた。ふふ、と少女は微笑む。愛しい青年が、そこにいることに……ただ。幸せを感じる。配膳を済ませて、青年と、いただきますと合掌する。ゆったりと食べながら、少女と青年は談笑する。朝のちょっとしたヒトコマ。青年は昨日の夢を脳内で描いていく。桜並木が気になった。あそこで少し違うことをすれば、今日という1日が少しだけ変わるかもしれない……と。
朝食も登校準備も済ませた二人は、家の鍵を閉め、手を繋いで歩き出す。ゆったりと通学路を歩きながら、ご近所様に挨拶していく。にこやかに少女は挨拶し、爽やかに青年が挨拶していく。それに温かく返してくれる。途中で何度か冷やかされてしまうが、まんざらでもない気持ちだ。ありがたく思いながら、青年と少女はゆったりと歩いていく。右手側に桜並木が現れ、青年は一度立ち止まる。少女が繋いでいる手を引っ張って、先を促す。
やがて。青年はまた歩き出す。桜並木をそのまま通りすぎて。
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「ねぇ。どこにいくの?」
「うん?ちょっとな」
このまま、まっすぐ行けば行き止まりだ。だというのに、青年は握る手に少しだけ力を込めて、歩いていく。困った表情を浮かべてはいるが、拒否することもせずに、少女は青年と歩いていく。行き止まりだと分かっていた、道の先。そこにあるのは、下っていくだけの、暗い暗い階段だ。青年と少女は息飲む。何故だろうか。この先にあるものは、二人が望んだモノだと言うのに(・・・・・・・・・・・・・・)。
---result,new wards----
--青年--
少女と共に住んでいる屋敷の主。
何事にも関心が薄いが、少女に関係することには関心がある。
--少女--
青年の&#*-であり、青年を愛している。
しっかりものだが、青年に甘えることが多い。
--下りていく階段--
本来であれば、そこにあるはずもないモノ(・・)。
青年が#-&#-&#-&##-の&#-#-#-*-*--。