後編
(あなたが居なくなった今、私はどうすればいいの?)
今まで通りに友達の関係に戻ろうと言われた。
けど自分の頭の中は彼で埋め尽されていて、後戻りなど出来ない。
(ああ、まるであの時の蝶みたい)
ずっと昔―テレビか何かで見たあの蝶のよう
蜘蛛の巣に囚われ、逃げようと動くたびに逆にその身を傷付け、最後には羽をもがれて死んでしまった蝶
まるであの蝶のように、自分勝手な未練に縛られて、身動きできず、死んでいく――
『…死?』
その言葉を口にした瞬間、突然視界にあるモノが飛び込んできた
(ああ、そうか。そうすればいいのか――)
あまりに簡単な事なのに、今更気が付いた。
おもむろに左手をテーブルへと伸ばす
そしてそのあるモノを手に取った
(あなたの声が聞こえないなら)
そしてベッドの上に座り込み、壁に背をもたれて呼吸を整える
(あなたを見ることが出来ないなら)
チキチキと音を立ててそれを伸ばす
(全てを終わらせてしまえばいいんだ――何も無かったかのように――)
もはや私の思考回路は止まっている
今は目の前のあるモノだけを見ていた
そして――
真っ赤な液体が噴き出したのは、果たして後だったのか先だったのか私には分からない―そう…私はカッターで首の血管を切り裂いた
もう何かも終わりだ――――
『―――― っっ』
何故か……最後に彼の声が聞こえた気がした
よく分からない感じで終わってしまいました;;
最後まで呼んで下さってありがとうございます!