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中編

事の起こりは昨日の夕方―――


『別れよう』


一瞬、何を言われたのか理解できなかった。


目の前が地震の時みたいにグラグラして足元から崩れていくような気がした。


『――えっ、ちょ、ちょっと待って。どうしてそんな、いきなり』


『別に何かお前といても友達以上の楽しみを感じなくなったし、そろそろお互いの為にも一緒に居ない方がいいかなって思ったんだよ。な、だから別れようぜ』


あいつが私の大好きな、どこか人懐っこくて憎めない笑みで言ったのと同時に、私の中の何かが音を立ててガラガラと崩れていくのが分かった。


付き合って約一年目の破局だった。


楽しく無くなった、が彼の言った唯一の理由。


しかし、そんなもので納得しろだなんて無理な話だ。


一体何が楽しく無くなったのだろう。


ただ単に自分に飽きただけなのだろうか?


確かにこの頃は互いに部活とかバイトとかで忙しくて会う機会も少なかったが、それでも自分は一緒に要られるだけで楽しかった。


それでは駄目だったというのだろうか?


それだけでは物足り無かったのだろうか?


(それでも私は)



あなたのことが好きなのに



小学六年生の頃からの知り合いだから、かれこれ七年ぐらい一緒に居る幼なじみ。


最初は単なる幼なじみに過ぎなかったが、中学の時に意を決して告白した部活の先輩に酷い言葉で振られたのを、何気ない態度や言葉で気遣ってくれたことから気になり始め、次第にかけがえのない存在になっていった。


それは一年前、彼から告白されて付き合い始めた時に気付いた。


彼が笑うたびに嬉しくなり、彼が怒るたびに酷く辛くて悲しかった。


彼の声を聞くたびに心躍り、自分の目は彼の姿を常に追っていた。


なのに―――

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